リーダーの陥る罠

私もまだまだですが、知っているのになかなか出来ないことの一つが、この事のように思います。
そして、これはリーダーが陥りやすい罠なんだなという事も知りました。

リーダーは、チームが成果を上げていくために、リードするのでしょうが、ビジネスの中では、お客様がいらっしゃって、「失敗をさせてあげたくても、失敗させてあげられない状況」というのが、私も体験してきてあります。
そのために、部下を把握しようとして、ガチガチにがんじがらめにしてしまうということってありませんか。

そもそも「失敗」というから、難しくて、本当は「冒険」なんだなという事を、最近のセミナーに参加していて学ばせていただきました。
やってないことをやるのは「冒険」。冒険は仕事を新たに学ぶ時には、その一瞬一瞬が冒険なんですよね。そこに「失敗」はなく、「冒険」で、冒険をしている人を見守る人が、上司であるのですよね。

こうして見てみると、「失敗」しないために、その人の一挙手一投足を知ろうとしていたのは、上司が「失敗への恐怖」から逃れられないだけなんだと感じられます。
上司が恐怖はあっても、「知りたい欲望から解放される」事は必要なんだと痛感しました。

にも関わらず・・・

そう痛感したはずなのに、部下から相談されると、ついつい状況説明からさせてしまうんですよね。とにかく私が状況を把握して、私ならこうするだろうにと答えられる位まで知りたくなってしまうんです。
正直、これが悪いとは思わないし、ごくごく一般的な反応なんだろうと思います。けれども、練習しないと鍛えられない筋肉のようなものだとしたら、日頃やれることではなく、頭で解っていても出来ないと思っている「知りたい欲望から解放される」事に挑戦してみたいなと思いました。

今も、ある組織でリーダーをさせてもらっています。
その組織で、知りたい知りたいと私だけが情報を集め、私が最終的に指示を出していたところ、いつの間にか、私が「こういう情報欲しいんだけど」と口にしない限り、情報が集まってこなくなりました。しかも、集まった情報は無機質で、メンバーの考えや感情、思いが伝わってこなくなってしまっていたのです。

最初は「このメンバー、大丈夫か?もう少ししっかりしてよ。」と思っていましたが、ふと自分がそうさせてしまっていたのではないかと気づいたのです。でも、どうしていいか判らなくなっていた時に、「知りたい欲望」について気づいてしまいました。

慌てて、チームで集まって、私達の目的と目標・ビジョンについて共有しました。しかも、メンバーに違和感はないか、気になる点はないかについて確認しながら、全員が聞いただけではなく、共有できているなという状態になるまで話しあいました。
その上で、何をしていこうかを考えて、自分達で実行してもらいたいと話しを加えました。

最初は、急に私が関わり方を変えた事で、シーンとなってしまっていたので、正直に今回の自分の反省とこれからの関わり方について話しをしました。
すると、急にみんなにとっては責任が重くなったと感じたようで、顔色が曇る人も居ました。逆に元気に目を輝かせる人も居ました。それでも、自分の思うように誘導するのではなく、この人達を信じようと決めて、みんなから上がってくる意見なども聴いていました。

「気になったら私から声もかけたいけれど、みんなも困ったときは相談してね。」
改めて言いました。
まだ数日ではありますが、明らかに報告や相談の数が増えました。自ら動いていそうだなという事も伝わってきています。

リーダーである私が知ろう、知ろうとしてしまうことが、みんなの言動にブレーキをかけていたなんて・・・。

前の職場では出来るようになっていたから、どこか自分で安心してしまっていたのかもしれません。いや、もしかしたら前の職場でも、出来ていたつもりだけで、私に依存させていたのかもしれません。

そんな事知っていたはずなのに・・・。
自分がチームのミスを恐れ、成果が出ない事を懸念し、結局自分の思うように動いてくれればいいんだと、知りたい欲望から解放されてなかったんだなあと自らを反省。

きっとこれからも、「出来るようになった」と思った瞬間から、また戻ってしまうかもしれないので、どこかに書き留めておこうと思います。
「知りたい欲望から解放される」
「失敗はなく、冒険」

リーダーの陥る罠だろうなと思ったので、ここに記させていただきます。

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