ネイティブコーチのひとりごと

ネイティブコーチと仲間から言われるsmilecoachの考え方、コーチング的要素、日々の生活や研修講師・リーダーを楽しむ様子からのsmilecoach自身の気付きを毎日お伝えします。

部下への叱り方

   

私は、正直ここで叱り方を語れるほど成功ばかりではありません。私の関わり方、叱り方が原因で部下が辞めてしまったこともあります。だからこそ、その違いを含め、語れるのかもと思い、話をさせていただきます。

以前の私は、年上の部下で、職種に対する経験も豊富な方がいらっしゃると、「もうそんなこと言わなくても解るよね。」「こんな事もできないの?」というような態度だったろうと思います。(自分では今となっては解りませんが、部下にはそう聞こえていただろうと想像のみです。)

が、業務経験のある即戦力を求めていたので、全て年上の部下だったのですが、3人目に辞めていった人が「私は、もっとsmilecoachさんより現場とのやりとりを沢山していました。」と吐き捨てて辞めていかれました。その意味が解らず、上司に聞いてみたり、現場の人に聞いてみたりしました。

彼女に私が話しかけなかったことはなく、仲良くやっていたつもりでした。食事に誘っても、お昼はおうちに帰りますといって帰ってしまわれていたのですが、どうやら現場と私とのやりとりに不満を持っていたのでしょうね。

確かに、私の産休中に現場の方々と仲良くされていたようです。が、復帰してみると、総務だけで話されている上司の話が現場に漏れている。
「なぜだろうね。マネジメントするために本音で話されて、対策を練られた話がどうしてこんなねじ曲げられた形で伝わっているのでしょうね。上司でも私でもないとすると、あなたですか?」と、うわさ話が好きではない私は、本人にストレートに確認をしてみました。

「いえ、違います。」と。
けれども、その後も事実ではなく、事実がねじ曲げられて、経営陣と総務が悪人のように伝わっている。(実際に、そう見えていたのかもしれません。)
何が起こっているかと思っていたら、後日、現場から大きな事件として、その人が情報を流している事が解り、彼女は居づらくなって辞めていかれました。

正直、辞めて当然!と当時は思っていました。職務として知り得た事を、現場と仲良くするために情報漏洩していたのですから。

けれど、彼女がなぜそんな事をしたのかです。
仕事も真剣にしてくださっていて、お客様からの評判も悪くない。私とも(表面上は?)仲良くやっているし、責任感もある。なのになぜ?

後から、叱り方が彼女を傷つけ、現場と仲良くするしかなかったのかなと思いました。そもそも、現場の人達も私の叱り方が気になっていて、彼女と共感できたのでしょう。

どんな叱り方だったのか。
さっきの一つの会話もそうですが、「(犯人は)あなたでしょ」と人を責めてしまっていたのです。
「えっ、今まで知らなかったんですか(こんな事すら)」「伝票のコンマの位置が間違ってますが、(こんなことも知らない人なんですか)たまたまですよね。」と、カッコ内の含みを持ったような人格を否定するような言い方をしていました。

それは凹みますよね。
「コンマの位置違うよ」だけなら、「すみません。間違っちゃいました。」で終わるだろうに、わざわざ人格を否定するような事をいってしまっていたのです。
当時は、業務を4名分任されている頃で、「即戦力で採用したはずの人がどうして?」と、手直しをしなければならない時間に苛立ちを感じていました。だから、一段ときつく相手を傷つけることを知ってか知らずか言ってしまいました。

けれど、業務がおちつく時間には、ゆとりを持って、会話をしたり、指示を出していたので、表面上は上手くいっているように見えたのでしょうね。

彼女が、大きな出来事をきっかけにやめてしまった後に、上司と話をして、私の指示の出し方を気をつけないとねという反省もしました。また、叱り方もひどかったのかもねと振り返ることもできました。その後は、人格ではなく、言動を指摘しようと決めました。

その後、入ってくれた人は、長く勤めてくれ、しかも成長もドンドンしてくれました。
叱ることもあったのですが、その時には「あれ?ここはどうしてこうなったの?」と聞くようにしたり、時間がない時には「電話の語尾が『でえす』になってるから、『です』と短くして下さい」と、変えられる言動について伝えるようにしました。

彼女は、そのたびにポストイットに『です!』と書いて、電話に貼ったり、指摘された事はパソコンに貼って、できるようになると剥がしていきました。
「随分、指摘されることも減りましたね。もう◯◯に関しては任せても大丈夫ですね。」と伝えると嬉しそうでした。一つ一つの仕事もたまに質問するので、考えて仕事をするようにもなりました。

お昼休みにランチに一緒に行くこともできるようになりました。彼女からの提案もしてくれるようになりました。上司も、「最近は優しい厳しさがあるね」と言ってくださるようになりました。
彼女の資質なのかもしれませんが、自分の叱り方が変わった事で、私自身も仕事の「任せ方」が変わってきたように感じたのでした。

ある日、上司と二人になった時に上司が言ってくださいました。
「smilecoachさん、最近の叱り方はいいねえ。素直に聴く気になるよ。前は聴いていても反発したくなる事もあったけど、今はうんうんと聴けるよ。現場とのやりとりも優しさも感じるよ。子供が生まれたからだけじゃないね。smilecoachさんが入った当時の優しさを感じるよ。戻ってきたね。」と。
続けて
「smilecoachさんは、仕事を何人分もやってるから、自分にとっては当たり前でも、他の人から見たらスーパーマンなんだよ。なのに同じように求めたら、誰でもついていけなくなるよ。でも、最近は相手の良い所を尊重しているよね。ゆとりがあるように見えるよ。
一番変わったのは叱り方だね。ほんと、聴く気になる。何が変わったのか僕に解らないけど、聴く気になるよ。」と。

人格を否定すると反発したくなり、言動を叱れば聞く耳を持ってくれるんだなと、上司の言葉で改めて気付きました。
また、自分と同じことを求めようとしていたんだなという事も気付かされました。

その経験からもう十数年。すっかり、自分のスタンダードな叱り方になっています。

「コーチングを始めると、部下になめられる」と仰る方もいらっしゃいましたが、相手の成長のために叱ることも大切な事だと思います。ただ、その言い方にコツがあるのではないかなと、体験してきた私は考えています。
そうすれば、「なめられる」ということはないでしょうし、そもそも、なめられたら何か困る事があるのでしょうか。なめるとはどんな事が起こっているのでしょうか。
私の育った部下のように、私に提案してくれる事をなめるというのでしょうか?
きっと、貴方自身の「こうみられたい」「こう扱われたい」というものが、邪魔をしている事もあるのではないでしょうか。

と、ちょっと最後にチクっと言ってしまいましたが、叱ることも大切な事であると私は思っています。けど、人格だけは否定したくないものですよね。
だって、人にはそれぞれ素晴らしい才能があるのですから。「それを引き出せないのは、私達上司の怠慢」ではないでしょうか。(by私の上司からの教え)

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