私も経営に携わるようになった時までに、すでに経営者になりたかったのでは?と言われたことがありますが、正直そうではありませんでした。なのになぜそんなに会社のために頑張れるのかと言われた事もありました。
考えてみても、正直解りません。
けれども、私自身が変化したのは、経営への興味よりも、経営者への興味からでした。
私は結婚してから仕事を探していたのは、「自分がしたいこと」で「土日が休み」で「子供が生まれても続けられるところ」でした。正直、条件面が多い中で、したいことが重なっていればいいかなと思っていた程度です。
前の職場との出会いは、託児所があって正社員の事務募集だったからです。
条件が一致したから勤め始めたに過ぎないのですから、当然経営なんて全く考えた事もありませんでした。
入社しても、慣れてくると、正直愚痴ばかり。
けれども、楽しそうに働いている方々がいっぱいいらっしゃって、この人達は何があるからなんだろうと見ていると、社長が魅力的と話す方も多く、どんな人で、どんな考え方をする方なのか興味を持ち始めました。
残念ながら異性として魅力的とは思えなかったのですが、リーダーとしては確かに知れば知るほど面白い方だなと思えるようになりました。休憩のたびに、そんな考え方が身に付いた背景や、どんなご苦労をなさってきた方なのかなど、お話を伺っているうちに、本当にいろんな事を話してくださるようになりました。
そうしているうちに、会社をどうしていきたいのか。今のままだとこうだけれど、こうしていきたい。こうやって従業員を支えていきたいなど、会社や社員、お客様に対する思いなどもたくさんうかがうようになってきて、知らぬ間に洗脳されるかのように経営者視点が身についていったように思います。
考えてみると、表向きの数字よりも、なぜそう思うのか、どうしていきたいのかを沢山聞かせていただいていました。
楽しそうに働いていらっしゃる方々もその点は同じで、毎週の朝礼で面白おかしく思いを聞かせてくださっていました。
そのために、表面的な数字以上に、思いを共有しやすかったのだなと思いました。
伝える時も、私たちとの会話をしているからこそ、どのレベルの話なら私たちに伝わるかを考えて解りやすい言葉で伝えてくださっていたのでした。
最初から経営視点もないし、もしかしたら最後まで経営視点でないのかもしれません。しかし、思いの継承は日々伝えられる言葉と、行動から伝わってきていたのは間違いありません。
経営視点を持った部下を育てたいなら、部下とどんな話でもまずして、お互いを知ること。
そして、経営者は、部下のレベルに合わせた言葉を使って、伝わるように伝え続ける事、が大切なのではないでしょうか。
私は、昨日のブログで「問い」という話をしましたが、この問いの根底にあったのは、こうした経営者の思いでした。
それが、伝えられ、そのうえで成果目標があり、成果目標が全面に出ない分、思いは浸透していました。だから、中間管理職は成果目標を部下に伝えても、思いとともに伝えるから、文句が出たのは、お仕事を受注しすぎた時だけでした。
親が子供への価値観を継承するのは、繰り返し伝えるからだと言われます。
仕事も同じなのではないでしょうか。
ふと、昨日の続きで語らせていただきたくなりました。
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