自分を許すということ

「講師をしていると驕りが出てくるから気をつけなさい。」とメンターのお一人である朝倉千恵子さんより教わったのは、もう10年以上も前になるのでしょうか。
それ以来、ずっと講師をすることに奢らないために、研修担当者から率直な感想や改善希望点を伺ったり、講師が集まる場に参加したり、講師以外の役割の体験を軽んじずやってきました。
その中で、研修講師、他の講師、或いはコーチやコンサルとしてご活躍の皆様とお会いできる機会は非常に有難い事です。
一昨日、昨日と、とある研修企画をされている企業様の主旨に賛同された皆様とトレーニングを受けて参りました。その中で、いろんなことを感じてきました。

そこに集まった方々のご経歴・考え方を伺うだけでも、凄く楽しくて、尊敬に値するなと刺激を受けるばかりでした。が、まず集まった方々が、テクニックではなく、相手を尊敬し、心で会話しようとされている方々なんだということが共通しているように感じられました。その中に居られる事がまず嬉しく感じました。

その方々とトレーニングを通じ、実際にその場を交互にやってみながらメンテナンスしあうのですが、一人ひとりから学ぶことが多く、自分自身の未熟さも痛感してきました。

未熟さを痛感すると言っても、ここ数年での変化を今年は感じる事ができました。
それは、できるようになった事(変化していること・成長したこと)と、私の個性がゆえにできていることを自分で感じながら、次なるステップを見つけられたということです。

1年前は、「凄い人たちだなあ。私なんてここに居るべき存在ではない。」とか「私、場違いだなあ。」「凄い人たちの集まりに圧倒されて、小さくなっちゃうよ。」と身体が硬直し、声が小さくなり、一段と「なぜこんな人がここに居るのか」と思われるのではないかと恐縮しっぱなしでした。

しかし、今年は自分の事も認めながら、私の個性ってこういう所にあるんだなとフィードバックを通じて感じる事ができました。

その変化が何だったのか。
私自身の成長でもあったかもしれませんが、大きい変化は「自分がモデルだなと感じている人たちに認めてもらったこと」だったと思います。

正直に申し上げれば、ずっと前から認めてはもらっていました。けれども、その言葉を受け取る勇気がなかったのです。酷い言葉で言えば、お世辞だと思って信じてなかったのです。
それは、その言葉を受け取ってしまう事は「私は駄目な奴だ」と思い込んで頑張っている自分を否定することになり、これからどう頑張ればいいのかが判らなくなってしまいそうな怖さから来ていたと、今は定義付けています。

けれども、公私含めいろんなことが起こり、何かにすがりたくなった時に、ふとそれらの言葉が思い出され、「私の何を認めてくれていたのだろうか」と、自分の事を改めて認めようと思うようになりました。
認めるたびに、「驕りだけはいけない」とまた拒絶する自分も居ましたが、その時ばかりは縋るものはその言葉達でしかなかったのです。

結局、1ヶ月位の時間をかけて、やっと自分自身の個性というものがちょっとずつ認識でき、単純に私の生き様自体が私の個性なんだという事に気付きました。認めるも何も、全ての事が私だけの体験。環境も、周りの方々も、かけられる言葉も、全て私だけの体験。それが既に個性なんだと感じきる事ができました。

すると、そのトレーニングの前日にお会いした方の「里江ちゃんはもっと自分のしてきたことを語っていいんだよ。」「里江ちゃんにしかできないことって沢山あるじゃない」という言葉も、有難く受け止める事ができました。

認めてもらえる言葉が有難く感じるようになっている自分に気づけたのです。
いきつくところは、自分が自分を認めてあげられたのですよね。私は、今までどれだけ自分を否定しつづけてきたのでしょうか。

そう思うと、人の言葉に左右されて、まずはその言葉を信じて変えてみようと思う自分が、「自分の意見はないのか?」と嫌になった時期もあったのですが、可愛く思えてきました。
自分も周りの素敵なんだと思うと、今まで居づらかった空間が居心地良く感じられている自分が愛しくも思いました。

10年前、「自分を許してあげなさい」と言って下さった方の言葉がその時には解らないから、メモをして残していたけれど、その時に意味も解らず流れてきた涙の意味が、10年を経て、やっと心に染みてきました。

そうは言っても、これからも「これじゃダメだ」って言う事もあるかもしれません。
けれども、螺旋階段を登るように、変化しつづけていけば、いつか驕りはないけれど、どんな時も自分のことは認めてあげられる自分に変化していると信じています。

自分を認める事が、実は人の褒め言葉を信じさせてくれ、それがまた自分に戻り、自分を認められる好循環を作ってくれるのだと改めて感じています。
その変化を感じされてくださっている皆様に感謝します。

そして、今まで認めてくださっていたのに、どこかで「そんなお世辞を言わせちゃってすみません」と思っていた事に、ごめんなさい。
改めて、ありがとうございました。
これからもドンドン認めて下さい。笑

あなたは自分を許してあげていますか。
認めてあげていますか。

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