企業の「維持」って言葉を勘違いしたくない

もう10年以上になりますが、日本経済新聞社主催のセミナーに参加したことがあります。講師の名前は忘れてしまったのですが、そのセミナーで凄く納得した事があり、今でも頭に残っています。これがゴーイング・コンサーンの考え方です。

ゴーイングコンサーン
going concern / 継続企業の前提 / 継続企業
企業などが将来にわたって、無期限に事業を継続し、廃業や財産整理などをしないことを前提とする考え方。

このためには、企業は波があったとしても、龍のように上昇し続けなければならない。という事です。

単純なのかもしれませんし、当然といわれるかもしれませんが、この言葉を知った事で、企業の中で使われる「維持」という言葉の意味付けが、私の中で確実に変わりました。

私を含め、社員が、「語弊があるかもしれませんが)何も考えずに「このままでいい」という言葉を発しているけれど、「このまま」というのは、企業が成長し続けるのが「維持」であるとすると、その人自身も成長し続けなければ、その企業には不要な存在になっていくという事ではないかと思えるようになったのです。

私自身、元々学習は好きだったのですが、この言葉と考え方を知ってからは、「継続・維持するためには、成長し続けなければならない。なぜなら経済は成長し続けていくものであるから。」という前提がすっかり頭の中に入ってきました。

ですから、成長企業というのは、そのさらに上をいく成長をすることなのだと・・・。

始めた以上は継続していくことを考えていくのが企業。だとすれば、成長し続けていくこと。
この当たり前に見える事が、一社員である私には、わかっているようで解って居なかったのでした。正直、私自身が「このまま会社の良い状態をキープしたい」と思っていた時期なので、「キープ(維持)って、そんなに簡単な事じゃないんだな」と身震いがして、危機感を持って帰ったのを今でも覚えています。

本当は、そんな事を聞きに行ったつもりはなく、経済新聞の読み方を学びに行ったつもりだったのに、職場で実質的な参謀をさせていただいていた頃なので、経済新聞の読み方よりも「ガツン」と来た言葉になりました。

「企業の維持とは、成長し続けること」

この前提があるだけで、仕事自体の取組み方も、部下の使う「このまま」という言葉も違って聞こえてくるので、自分で修正を始めました。私がその成長にいかに関わっていけるのか。そのような考えを持った部下をいかに育てるのか。

実際には、そのことを伝授できてはいないのだと思いますが、部下の成長を本気でコミットできたのは、この言葉のおかげだったように思います。
今、また「なんとか維持したい」という言葉をたまに聴くようになりました。
落ちないようにする時期なのかもしれません。けれども、その先にはまた「成長期」が待っていると私は思います。その成長期のために今、何を準備しておくのか。

厳しい時が続いている企業も多いと思いますが、常に先の「成長期」を想像しながら進んでいきたいものですよね。「目先」と「先の成長」。
そのために、リーダーだけが考えるのではなく、チームのメンバーと一丸となっていけたらいいですよね。

夢でまたこの言葉が出てきたので、伝えたくなりました。
おこがましいなと思いつつ、私の衝撃を受けた言葉であり、大切にしている一つの考え方として書かせていただきます。

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