自分が見えてないリーダーも居るんだなあ

改めて感じてしまったことです。たぶん、リーダーに限らず、自分が見えて無い事は多いのですが、部下は上司や同僚に言ってもらう環境も作りやすいのです。しかし、リーダーというのは、なかなかそういう立場を取りづらいものです。そのために自分の状況や無意識の振る舞いが見えなくなってしまっているリーダーもいらっしゃるんだということに私は思います。

それは以前から気になっているからこそ、リーダーシップ研修などでは、意識的に自分たちで自分の状況を言い合える場づくりをしているつもりです。
そんな中、あるリーダーシップ研修の際の事でした。すぐに場を仕切りたがる方がいらっしゃいました。けれども、自分ではその事に気づいていらっしゃる様子がありません。
その方が、お昼休みに声をかけてくださいました。
「お願いがあるんですが・・・」
何かと思って話を聞いてみると、お願いごとではありません。自分の持論を述べたかったのです。結局、知ってか知らずか、研修担当の方がその人に「お話中すみません。早く食事をしてくださいませんか」というお声かけをしてくださいまして終了しました。

皆さんから出された内容を受け止めることができず、「こういう意見がさっき出ていたみたいだけれど、私は違うと思う。」とチームディスカッションの際に他の人と共有しようとするのです。他の人も合わせて頷いている人もいらっしゃいますが、そのたびに下を向いてしまう人も多いことに気づいていらっしゃらないのです。

その後、自分たちでフィードバックする時間を持つことにしました。
すると、その人はチームとの関わりを完璧だと思っていたのですが、メンバーからは「あなたの○○が☓☓と感じた」などと、結構ダメだしをされていました。「小林さん、自分ではできていると思っているのに、こんな事言われちゃいました」と泣きつかれました。そこでお伝えました。「自分が思っている事と、周囲の人が感じている事には差があるという事がわかってよかったですね。しかも、この研修の場だから勇気を持って伝えてくれましたが、日頃でしたら、リーダーである○○さんは言っていただけないことですからね。言われた事をどう受け取るかは、○○さん次第ですよ」と伝えました。

ずっと周囲の人を下であると思っていた人が、その人達に「あなたの○○という関わりでモチベーションが下がる」「人のはなしを受け止めてくれない」という事をはっきり言われ、チームメンバーの他の人もうなづいていることで、一段とショックを受けていらっしゃいました。

なかなか言ってもらえる場がないから、ショックだったことでしょう。けれども、自分が見えてなかった事が見えたのですから、それだけでも大きかったであろうと思います。
年齢も高い方なので、行動を変えるに至るのかは分かりません。けれども、周囲に与えている影響の「差」について、知ることができたことで、その後は、チームメンバーの様子も伺うようになっていました。
ずっと自分が口を挟んでいらっしゃったのですが、その後は、まず様子を感じるようにされていました。

リーダーは、どんな影響を与えているのかを自ら確認しないと確認できませんし、言える雰囲気を作っていなかったら、正直に伝えてももらえません。先ほどの方は、言っていただけるだけ言える場は作っていらっしゃったか、メンバーが我慢できない程ストレスを感じさせていたのでしょう。それを、言ってもらうのは、自ら聴くしかないのです。
リーダーだから、完璧だというわけではないと私は思います。ですから、そのメンバーの声を自分から集めてほしいと思います。
中には、私たちコーチが関わって、フィードバックすることもあります。でも、それはその時その時のリーダーとの関わりの中でのフィードバックなので、もしかしたらメンバーの声との差が生じる可能性もあります。そんな場合は、メンバーの声もコーチからのフィードバックもともに、聞いて、自分に必要と思えば受け止めていただけたらと思います。

他の場面でも、何気に私がしたフィードバックを重く受け止めて、行動を意識して変えていこうとしている方もいらっしゃいました。
きっとリーダーは、自分を知る機会も探しているのかもしれないなと改めて感じました。

全て受け止める必要はないけれど、自分がどんな影響を与えているかを知るだけでも大きいのでしょうね。

言われる機会が少ないリーダーを取り上げましたが、私自身も同じです。この時のように、自分の思っていることを伝えて下さる方は貴重だと思います。その事を大切にしたいなと思いました。

私も含め、自分が周囲にどんな影響を与えているのか、相手にどう伝わっているのかを知る機会は、自ら作っていきたいものですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました