人にものを教える時に大切なポイント

先日、人にものを教えるって簡単なようで難しいなと思いました。
新しい職場に配属された人への指導の仕方を見ていた時の事でした。

資料の呼び方一つとっても、解らない人に教えるわけですから、同じものは同じ言葉で伝えないと、同じものであるという認識も持てないまま新しい言葉を覚えようとするわけです。

すると、「同じ物」という認識がないから、探す。
「それだよ」と違う呼び名で教わった「同じ物」を見ているのに、「あれ?さっきメモしたものと同じはずなのに、どっちが正しいんだろう?いいや、とりあえずメモをしよう」とメモをする。
後から見返したメモには、別物のように記載されてしまっており、「どこにメモをしたのか解らない」と混乱する。

実際に目の前で起こった混乱でした。
解らない人に、「物の名前」さえ同じように教えられなかったら、確かに混乱するのだろうなと考えさせられた状況がありました。

そんな事があった後の事でした。
「大きいものだけ避けてください」と選別の際に指示されていました。「大きいもの」と言っても、人によってとらえ方が違うんだけどなあと思いながら見守ると、案の定、指示を出した人が怒るのです。
「ちゃんと選別してください。大きいものはよけて欲しいと言いましたよね!」と強い口調です。

思わず、口を出してしまいました。
「『大きい』って、どのくらいが大きいというものになりますか。」
すると、外部の者が何を言うんだ、と少し面倒くさそうに「これはOK,これは大きい」と微妙な違いのものを二つ見せてくださいました。

指示をされた人に「判る?」と聴くと、首を振って、解りません、と正直におっしゃいました。
すると、改めて基準のものを持ってきて、「判る?これがNG。これよりも大きければ×、これよりも小さければ○。あとは慣れていくしかないので、最初はこれと比べながらやったら?」と吐き捨てるように仰いました。

基準ができたのは良かったのですが、本当に微妙で解りづらいのです。
時間はかけていましたが、明らかに、先ほどよりは、選別の精度は上がりました。

先ほどの指示を出した人がまた来て言います。
「私の指示が難しいよね。大体悩むのが20個に1個位、最初の頃はあったかな。でも、あなたは全部悩んでるよね。少し一緒にやろうか。」
すると、目が慣れていくのか、途中まで指示を出した人が「これOK,OK,OK,OK,これがNG」と、目の前のものを一つ一つ一緒に見ながらやり、次に新しい人にやってもらい、首をかしげると、まずは避けてみて。と指示。その上で、他のものを見て。

少しきりが付くと、悩んだものを、基準のものと見比べて選別をさせていました。

すると、更に目が慣れたのか、その後の選別のスピードが少しアップしました。

指示を出した人が、ちょっとしたら私の所に近づいてきて「さっき聞いてもらってよかったです。最初はお節介な人だな、と失礼ながら思いましたが、私の教え方が良くなかったですね。しっかり基準がないと『大きい、小さい』だけじゃ無理ですよね。」と。

人によって基準の違うものもまた、何をベースに考えればよいかが明確でないといけないんだなと改めて見せていただいた気がします。

二つに共通しているのは、「基準をどう示すのか」「同じ言葉で教えているか」など、新しい事を指示、または教える時には、気を付けなければならないポイントのような気がしました。

教える側もどの点は言い方を変えてあげても良くて、どの部分は同じ言葉を使わなければならないのか。
しっかりと「教える」「指示する」という事に対する責任も持たなければいけないと思いました。

私も物事を伝えるという事が多い身になりましたので、気を付けなければならないなと改めて自分を振り返るきっかけになりました。

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