根回しと手土産

先日、営業職の友人と話していた時に感じた事です。
その友人Aさんは、繋がりを作り、お仕事に結びつけるのが得意で、戦略的にされているのか、それとも単に優しさなのか、全く見分けがつきません。見分けがつかない辺りはセンスなのかもしれません。

けれども、話を伺いながら、多かれ少なかれ、誰でも戦略的になる事があるなあと思いました。

単純な話ですが、「友達で居て欲しい」「いつものお礼とこれからも宜しくって事を言いたい」からどこかに行ったらお土産を買う、なども意図があってしているとしたら、それは戦略的ですよね。

娘ですら、少しでも大勢にお土産を買いたいから、一人あたり◯◯◯円以内、とか、◯◯さんまで入れるとさすがに買えるものがなくなるから、◯◯さんはごめんなさいかな、とか。お土産を買うためにも戦略を持ち、その上で「☓☓ちゃんがこれは喜びそう」ってその先に、喜んでくれそうなものを選んだりしています。

戦略的とか、根回しって、結構嫌なイメージを持つ人が多い気がしますが、誰でもやっている事なんだろうなと思いました。

そして、Aさんが戦略として持っている一つが「手土産」なんだそうです。
細かく聞くと「そんな事まで考えてるの?」と思ってしまうのですが、Aさんの場合は、そもそも人と話す事が好きなんですよね。なので、話すきっかけに「手土産」を使うのだとか。
手土産を、「断る理由を減らす」ために使うことがあるのだとか。ある意味「根回し」なんだそうです。

根回し=◯◯をしたら、☓☓となる事もあるだろうから、☓☓となった時のために、△△を抑えておこう。
のように、外堀?を埋めておく事らしいですが、これも私達も常々しています。

子供の頃からやっているんですよね。
「失敗したら格好悪いから、今日は体調が悪いと言っておこう。でも頑張るけど。」
「◯◯ちゃんには負けるかも。と先に言っておこう。親の期待に答えられなかった時のために。」
などなど、これまた嫌な言葉に聞こえることだけど、やっています。ころんだ時に自分や周りの反応を最小限に抑える根回し。。。

Aさんは、こうした事がサラッと出来てしまうのでしょうね。
Aさん以外にも凄腕営業の方を知っていますが、その方は更に、本当に色々と考えていて、根回しも一つではなくいくつもされています。なんでそんなに考えられるのかなあって思うと、根っこは「人が好きで、先を先を考える事が得意」なんだろうと思えました。

「きっとこう思うだろうな」「きっとこうするだろうな」という事を相手を知って、想像できるから、根回しが出来る。戦略をいくつも立てられる。戦略の中でもベストを選べる。
誰しも持っている能力だとしても、それを磨いたり、好きでできたりする人には、到底及びません。

Aさんのお話を聴き、身近な凄腕営業の方を想像しながら、改めて営業というお仕事の凄さを知りました。
また、「根回し」や「手土産」って何となく、「腹黒い」って思っちゃっていたけど、本当は誰もが持っていた能力で、それが自分にはうまく出来ないから羨ましかっただけなのかなあとも思いました。

私は人は好きだけど、「広く」より「深く」というタイプだと思っているから、営業ではなく、コーチングというものが合っていると思っていたのかもしれません。が、営業の人は「広く深く」人を知る能力の持ち主、或いはその能力を磨いている人たちなのでしょうね。

私もまだまだ未熟だなあ。
しかも、「苦手」と思って悪いイメージを勝手に持っていた言葉も、本当は凄い能力なんだと教えていただいた気がしました。

人の話を聞きながら、相手の凄さも知ることができるし、その方と知り合えた事が嬉しくなります。また、話を聞いているうちに、自分を知るきっかけもたくさんあります。人との会話ってだから好きです。

今回は、「根回し」「手土産」って自分にとっては良いイメージじゃなかったけど、本当は自分が出来ないから、苦手と思う事で守っていたのかもしれません。そのことに気付かされました。

そして、コーチは「深く」だと思いすぎていたけれど、やはりもう少し「広く」も大切なのかなとも思えました。
そのために何をするか。
私なりに「戦略」を立ててみようと思います。

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