相手の気持ちを理解しようとする

相手の立場に立ったつもりで考えるのは、その立場になった事があればできるかもしれませんが、それでもあくまでも自分自身の思考で、その人がどう考え、どう感じたのかを知る事は本人に聞かないと解りません。

だからこそ、相手の状況や気持ちを理解しようとすることはできても、相手の立場には立てないという事を知っておく事は大切だと思います。

先日、ある事を客観的に分析すると、その人にとある能力がある事が分かりました。
が、その人自身は、脳力があると言われても、何度も何度もやってみても上手くいきませんでした。「できるはずですから、頑張って」と言われるたびに辛そうにされているのに、辛そうな気持ちを「辛いよね。でも大丈夫だからやってみよう」と、やってみることを諦めさせまいとしていました。

私も同じような経験があったので、辛そうだなあと思いましたが、本人がどう思って居るかは聞かないと解らないので聞いてみました。
「同じような体験していて、私は辛かった。あなたはどうですか。」と。すると、涙を浮かべながら、「能力があると言われたって、できないのに頑張れ頑張れと言われても、つらい。」と。
一旦、休んでみる事も出来るのならば、休みませんか。と言うと、涙があふれだして、「いくら能力があると言われても、嫌いになりそうだった。嫌いにはなりたくないから、休んでもいいのかなあ。」と。

かなり追い詰められていたのでしょう。上司にも自分の体験を語り、その人の気持ちも聞いてみてほしい。とお願いをしてしまいました。

その後お会いしたその人は、すごく明るい笑顔で「あの後、上司が色々相談にのってくれて、今は挑戦を休んでいます。少し解放されました。」と話してくださいました。
良かったです。本当に良い笑顔を拝見できて、私も嬉しかったです。

良かれと思う事が、過度な負担になることもあるということを目の前で見せていただいたように思いました。
上司は、「私だったら能力があるなら手に入れるのが普通だと思って居た」と話されて、その考えも一理あると思いますし、できればもともとある能力なら使わないのはもったいないと私も思います。
が、機械ではないからこそ、感情によっては拒絶反応を示すようになってしまうかもしれません。仕事を辞めてしまうかもしれません。いろんな気持ちも大切にしながらも、最善なタイミングで、最善な選択をできるように、常に感情についても話していく必要はあるのではないでしょうか。

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