軽やかに聴く

以前、コーチングの研修に参加した時に講師が「軽やかに」という言葉を使って下さいました。いま、凄く解る気がします。

重い話しを重く聴くと、感情を共にしているようには見えますが、出口が見つからない感じがするんですよね。しかも、聴いている側も重くなっていきます。
けれど、この「軽やかに」を意識すると、話し自体は重いし、感情も伝わってくるけれど、巻き込まれないで聴いている感覚がありました。すると、「相手はどう感じているんだろう?」「その時はそう感じたけど、今はどうなんだろう?」「これからどうして行きたいんだろう?」などと、ドンドン冷静だから見えるであろう違う視点からの疑問が湧いてきました。

だからこそ、じっと聴いて、その後に一言発する一言が、すごく相手に伝わっている事が感じられました。

別件でも、話を聴いていると、こちらまで目頭が熱くなるような重いだけでないような辛いお話しもありました。
一緒に辛くなったりもしましたが、ふと「この人は、なぜ私にこの話をしたかったんだろう?軽くなりたかったのかな?それとも話をする人が欲しかったのかな?」と。思わず、聞きました。「私に何がしてあげられるかなあ?」

すると、その人は「smilecoachさんならどうするかって事が聞いてみたい。」と言いました。けど、正直それが聞きたいんじゃなくて、同じ考えかどうかを確かめたいんじゃないかな」と感じました。
「◯◯さんは、どうするつもりなの?」と聞くと、「こうしたいけど、上手くいかない」という話でした。だからこそ、違う考えがあるのか、それとも同じ考えをするのかを確かめたかったのでした。

私は、徐々に冷静になってきていました。辛いからこそ抜けだそうとしている。軽くなりたいんだなって感じたからです。私にできるのは、話を聴いて、ちょっとでもいいから頑張ろうって思える何かが見つかればいいなと思いました。
だから、敢えて相手の感情を感じながらも、ちゃんと自分で納得できる何かを見つけられるように関わろうと決めました。

立ち位置を変えてみる事で、話自体は1時間でしたが、何だか自分の中での答えが見つけられたようで、早く行動を起こしたそうに見えたので、もう一度聴きました。私なりの答えを聞きたいって言ってたけど、どうする?
「話してスッキリしたから、もう大丈夫。何だか乗り越えられる気がする。ありがとう。また何かあったら相談するから、その時はよろしくね」と言われました。

コーチングをするわけではないので、敢えてその後どうするのかを聴くわけでもなく見守りました。自分で乗り越えられる事を信じて。
次の日、「自信ない」と連絡がありました。「そうなの?昨日は自信持ててたんだね。」と軽く返すと。「うん。出来ると思ったんだけど・・・」と沈黙。「その様子だとまだトライしてないでしょ。」と言うと、「うん。」

「大丈夫、駆け込み寺の私が居るから、駄目ならいつでも連絡して。」と言うと、「解った、やってみる。」
それから、三日間連絡がなく、私から連絡しようかどうか迷いながら、なにかあれば連絡来るはず。きっと頑張っている途中なんだろう。と携帯にメールが入るのを待ちながらの三週間近く経った時でした。

研修で連絡できなかったのですが、すぐにメールに気づいて夜連絡しました。
「何だった?」と聞くと、「ありがとう。ちょっとだけど、良い方向に回り始めた気がする。報告するほどじゃないから戸惑ったけど、相談に乗ってくれたからさ。」と話してくれました。
「良かったね。3週間前とは声も話す内容も違うよね。ホッとしたよ~」と言うと、泣きながら「愚痴だけで終わらなくて良かった。ありがとう」と改めて言われました。

軽やかというのが、相手にも、相手が望む方向に導く可能性があるということを体感として凄く感じられた出来事になりました。
きっと、話を聴いて欲しいだけの場合には、こればかりではないのだろうけれど、ちょっと軽やかにを意識し続けてみようかなと思いました。

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