若手のやる気は上司が奪っているかも

「若手のやる気がないんだよなあ。」という話を聞きますが、やる気自体はあるんです。考えてもいます。けれども、聞く耳を持ってくれない上司に、言うのも諦めてしまっているだけなんです。という事が起こっていることが多いんだなあと改めて感じました。

上司は上司で、「失敗させてしまって、辞められては大変」「今はまずやってみてから、変えていくのはその後でも。」と思う部分もあるのではないでしょうか。けれども、そう思っている間に、どうやら既にやる気を失ってしまうようなのです。

この3か月、本当にたくさんの企業の方々に集中して、上司、新人、若手の方々に同じようなご意見や本音を伺いました。
若手も、「本当に解らないから細かく教えてほしい」という事も聞かれますし、「考えてやようとしても否定される」という意見もあって、その見極めが難しいから、対話がされるといいのになあ。と思う場面が何度もありました。

けれども、その対話というのが、お互いを信頼しあえてないからなのか、うまくいかず、結局若手からすると「否定された」「スルーされた」となっているようなのです。

私も考え方がちょっとおかしいのか、スルーされることは職場以外の環境の中でもありまして、結局そのグループには、知らないうちに足が遠のきました。これは仕事がじゃなかったから、私も選べたのですが、仕事でこの選択肢を安易に選んでよいのかと言われると、本当は対話が何度か失敗しても、解るまで話をしてほしいなというのが、私個人の思いです。

この3か月のうちに、「私達(上司側)と若手だけでは、きっと知らないうちに、若手を黙らせてしまうだろうから、smilecoachさんに対話をファシリテートしてほしい」とお願いをされました。
「喜んで!」と、言ったは良いですが、若手が既に諦めている様子が見えましたので、このまま始めても対話にならない気がして、アイスブレイクでゲームを行いました。

すると、上司側が「あれ?こんなに話す子だったんだね」「なんだあ、いろいろ考えているじゃん」と、先に上司が感想として口にしてくれ始めた事で、若手の顔が和らぎました。
これなら!と思い、本題に入ると、やっぱり「シーン」と。

最初からは難しいかと、若手と上司を分けて話をしました。すると沢山の話が出てきて、書き出してもらったら、「問題意識なども似ている」という発見がありました。
上司がどんどん若手を見直す時間になってきて、合同で行うと、上司側が若手の意見を聞きたくて、「〇〇さんはどう思う?」と振るようになりました。

振られたら話せるので、自分の意見を伝えて、「おおっ、新しい」と感想を言う。すると、違う若手が「いつも言ってても聞いてくれなかったんですよ。」と思わず口にしました。上司の沈黙がなかったです。

しかし、その後、一人の上司がしたことが格好良くて、凄いなと思いました。
「みんなのいい意見をちゃんと聞けてなかったんだと初めて気づきました。申し訳ない。でも、これからは言ってほしい。みんなの意見を全部聞けるかは判りません。私達にも意見があるわけだから。でも、聞き流したり、最初から否定的にすることは、私達がやめないと、みんなのこのいい意見を黙らせてしまうことに気づいた。だから、どんどん言ってください。お願いします。」
と、お詫びとお願いで二回も頭を下げられたのです。
2回目は他の上司も立ち上がって、頭を下げていました。

若手としては反応しづらいのは私でも想像がつくので、まずは上司たちに座ってもらって、若手に感想として伺うと、「私達も1回伝えただけで、否定されるともういいや、と思ってあきらめていました。でも、本気なら何度も伝えなくちゃと思いました。」と話してくれて、やっと雰囲気が盛り上がってきたので、もう一つだけ、みんなで取り組むことを決めて終了になりました。

たまたま上司のおかげで、場が建設的なのはこの場だけではなく、職場でも気を付けようという雰囲気になったのですが、
改めて、上司が若手の意見ややる気を奪っていたのだなあと感じる事ができました。

来年、この企業様にはもう一度伺う事になっているので、その時までにまた変化があるといいなと思います。

私も関わる人達のやる気を奪っていることはないだろうか。
自分事に考え直して、気を付けていきたいと思います。

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