コミュニケーションとは?

私の中で大きく大切にしているコミュニケーションが二つあります。
一つは、人とのコミュニケーション。
そして、もう一つが自分とのコミュニケーション、です。

二つ目のコミュニケーションが忘れ去られてしまいますが、このコミュニケーションも忘れてはならない大切なコミュニケーションです。

少し前になりますが、こんなAさんとのやりとりがありました。
Aさんは、大手企業でトップマネジャーをされていて、ミドルマネジャーを開発し、まとめていく役割も担っていらっしゃる40歳の方です。
Aさん「里江さん、困っている事があるんだけど。」
私  「何ですか?」
Aさん「私は、6名のマネジャーを見ていて、本当に優秀な人ばかりで、私は凄く助かっているんです。
    でも、ちょっとBさんだけは、どう育成しようか迷っているんですよね。」
私  「そうなんですね。具体的には何が起こっているんですか。」
Aさん「それが・・・。 ・・・(守秘義務のため中略)・・・なんですよ。どう思います?」
私  「色々と試されているんだなあと感じました。
    で、Bさんをどうしていきたいんでしょうか。」
Aさん「そりゃあ、育てたいし、他のマネジャーのように部下に信頼されるようになって欲しいよね。」
私  「本当ですか?」
Aさん「え?どうしてそんな確認を?」
私  「いえ、聞いていると、それだけ苦労して色々やっているのに変わらないなんて嫌い!と言っているように私には聴こえるんですけど。違っていたらすみません。」
Aさん「・・・。そう聞こえましたか。うーん、育てたいのも本当です。けど、確かに嫌いになってきているのもそうかもしれませんね。」
私  「Bさんの良い所はどんな所ですか?」
Aさん「そうですねえ。そういえば、最近、悪いとこばかり見てきて、すぐに言えない自分が居ますね。
    うーん。ちょっと待って下さいね。
    そう、◯◯と、☓☓は、特に誰もが認める良い点じゃないですかね。
    あ、そうか。確かに、その良い点を活かせば出来る事もあるし、良い点を磨くと更に良くなりそうですね。」
私  「え?どんな事が浮かんだんですか。」
Aさん「Bさんは表情がなくて、決断も遅いし、部下が話しかけてもニコリともしないんですけどね。
    よくよく考えると、分析力があるわけですから、部下を分析するように見たらどうなるんでしょうね。
    どうしてもBさんの分析は、成果に対しての分析ばかりになってしまうので、私も心がないなあと感じてしまうんですが、人の分析をテーマにしたら、何かヒントがあるんじゃないかなあと思うんですよね。
    ああ、どうして気付かなかったんだろう。私がBさんを嫌いと思うことで、良い点が見えなくなってしまっていたんですね。
    なるほどね~。」
私  「なるほどね~、私にも何をされるのかが伝わってきました。」
Aさん「いえいえ、Bさんに対して、どうしたら成長するんだ!って躍起になっていたけれど、私の関わり方というか、私の感情も見ながら関わらなかったら、Bさんも本気で変わろうと思うわけありませんよね。完全対立ですものね。
    いやあ、自分とのコミュニケーションがいかに大切かを凄く感じられて、良かったです。ありがとう」

15分位の会話だったと思います。
けれども、Bさんの育成だけに目を向けるのではなく、関わるAさんの感情も大切に扱う事で、AさんとBさんが対立しているように見てたイメージから、AさんとBさんが共に進むイメージに変化しました。

自分が今どう思っているのか?自分がどうしたくて、相手はどうしたいのか。
もっと視点を広げたとしたら、AさんとBさんは客観的に見るとどう見えるのか。
など、コミュニケーションと一言に言っても、関わる人達、そしてその周りの人達も含め、感情を持っています。
関わる自分もまた感情を持っています。考え方もあります。
だからこそ、人とのコミュニケーションを考える時には、自分とのコミュニケーションをあまり脇に置きすぎない事も大切なのではないでしょうか。

あなたは自分との対話の時間、どのようにとっていますか。

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