「する、しない」は振り子の法則?

メンタルトレーナーの西田文郎さんの講演に初めて参加したのは、もう5年以上前になりますでしょうか。その時に衝撃を受けた事が、3年前の脳科学の講演の内容と結びつき、更に最近読み返していた、我が家の本棚の本の事で思い出したので、自分なりの表現で書かせていただきます。

私は「緊張しちゃいけない」「こんな時に泣いちゃいけない」など、結構自分の感情を抑える事に時間をかけてきた気がします。
けれども、それが果たして健全なエネルギーだったかと言うと、5年前の目から鱗がありました。

それは、感情は抑えた分だけ、その後振り子のように跳ね返ってくる。感情だけではなく、ピンチも見方を変えたら、チャンスに変わる。

ピンチがチャンスは解っていても、感情もそうなの?と不思議だったけれど、きっとその講演を聞こうと思えたほど、自分の中で何か焦りのようなものを感じて、何かにすがりたくて、参加した講演だったことを覚えています。
その講演の帰り道、私が焦っているのが何かの反動だとしたら、私は何に焦りを覚え、何が満たされたらいいんだろう?いや、その前に、焦った分だけ良いことが起こるなら、この焦りを感じる時期も悪くないかも・・・。そう考えた瞬間に、胸のざわめきというか、心の空虚感というか、何とも表現し難い感覚があったものが、すーっと嘘のように消えた事を鮮明に感覚として覚えています。

はあ、これがそうなのか。何が解決したわけでもないのに、こうした焦りのようなものが無くなった瞬間から、周りの環境さえ好転していくことを感じられるようになりました。
本当に好転した部分もあるかもしれませんが、きっと自分の中で捉えられなかった「心地良い感覚」をキャッチできるようになったのではないかと思います。そうなると、表情が明るくなったねと言われるようにもなり、今度こそ本当に、自然に好転していくのを事実として捉えることができるようになりました。

3年前に脳科学の観点から、世界的な権威をお持ちの方が講演されたのを偶然にお伺いすることができたのですが、その時には私達にもわかりやすく、説明してくださったのが、以下の事です。

「××をしないように」と思うと、××をしようとする信号が発信され、更にそれを打ち消す××しないようにという信号が、しようとする信号よりも0.2秒遅れて発せられる。結果として、××しないようにしたいのに、××しようとするシナプスがより強化された状態になるんです。
ですから、「●●する」という別のシナプスを強化したり、繋げていかない限り、××しようとするシナプスは退化しないのです。

私の中で、子供に「××しないでね」という言葉を徹底して止めてみようと思った瞬間でした。

そして、時を経て、最近、脳科学の事は行動に関してだったのですが、感情も同じなのかもなあと思うようになりました。
悲しまないようにと思えば思うほど、悲しむ事を感じ、それを更に打ち消すから、悲しみは消えない。
焦らないようにと思うと、焦っている事を感じてから、更にそれを打ち消そうとして、更に反動を大きくするから、更に焦りも強化されてしまう。

改めて5年前に伺った西田さんの「感情も振り子のよう・・・」という言葉が、そうなんだあと体感だけでなく、思考でも理解できた気がしました。

だからというわけではないのですが、今感じている感情を否定するのは後でも良くて、まずは今感じている事を自分自身で味わってみる。
そして、次に、何に対して感じた感情なのか。他の人が何も感じないかもしれないこの場面で、私は何に感情が動かされたのか。なんて考えてみてもいいかも。
面倒だったら、それも通りこして、「××しない」ではなく、「●●したい」って方向に考えてみたら、少しは振り子が小さくなって、大きな衝撃を受けなくてもすむのかもしれませんよね。

私はまだまだ未熟で、多くの事に感情を揺り動かされるけれど、そのことを受け止め、話したりしながら、感情に振り回される時間が短くなってきました。
時に、その感情に振り回される時間を楽しく思えるようにもなってきました。(たまにですけれど・・・)

振り子が振れないのもつまらないですよね。
触れている振り子を自分で感じてみるのもいいものなのかなあ。
でも、「××しない」って言葉にだけは、落ち着かせないようにしたいな。じゃないと、××する方が強化されてしまい、振り子の振れ幅を大きくする一方ですものね。

いろんなことが結びついてちょっと残しておきたくなったので、書いてみました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました