自分が大切にするのもは何か

私は自分から脱皮するのに時間のかかった時期がありました。でも、今は自分が大切にするものがはっきりしている気がします。

脱皮という言葉を使ったのは、私自身が自分が何をしたいのか、どうしていきたいのか、見えなくなってしまったことがありました。しかも、かなり長い期間で、きっと15年はあったのではないかと思います。
その時期に私は何をしていたのか。精一杯毎日を生きていました。けれども、「他人軸」で自分を見ていたのです。人が望むことをとことんまでしていることが心地良かったのです。でも、感謝されたり、褒めてもらえるうちはいいのですが、一言駄目だしをされるだけで、「私は駄目なんだあ」と落ち込んでしまうこともしばしば。そこから脱するために、また周りの人が喜んでくれることをしようする。

それが悪いことだとも思っていません。けれども、結局人の受け取り方というのはそれぞれなのですから、100%受け容れてもらえることなどなく、人の判断に一喜一憂していたのでした。
ただ、その時の支えは戻る場所としての家族が居たから、私はいつも笑っていられたと思っていました。

ところが、小さい頃からリーダーを任されても、うまく合意にとりつけていたりしたのですが、自分がどうしたいのかがないことに気付きました。あれ?私ってどうしたいんだっけ?
そんな時、母に「里江は毎日笑って、毎日一生懸命だからいいんじゃないの?それがあんたでしょ」と言われたんです。
正直、「へえ、それが私なんだあ。」という驚きがありました。自分が見えないものが周囲にはそう見えていたんだと。じゃ、私は何に笑い、何に一生懸命になっているんだろう?きっとそれが私が大切にしているものなのだろうなと考えました。

当時の私は人に弱みを見せることは格好悪いと父に再三教えられていたので、悩みや考え事は当時から日記に書く癖がありました。毎日のように日記に問いかけてみては、答えを出していました。
すると、ふと「私が笑顔で居たいから、みんなの笑顔が見たくて、私は必死になっているんだな」と思うようになりました。実際にそれが本当に大切にしているものなのかはいまだに分かりません。けれども、人のためだと思っていたのに、実は自分のためだったんだあ。なんだ!と思ったことは今でも忘れません。

でも、自分の中でそれを大切にしているんだと納得してしまうと、100%の笑顔がもらえなくても自分が笑っていられるから大丈夫と思えるようになったのです。心が強くなったのを自分で感じた瞬間でした。
そう思うと、私はきっと自分と向き合うたびに、自分が大切にしているものを確認したり、したいことを考えてみたりしながら、どんどんぶれない自分になってきたのだなと思います。

その後、コーチングを受けたり、学んだりした時に、自分と向き合う時間を改めてもってみると、情けない自分を発見してしまうことも多かったです。結局自分がなりたい自分とそうでない自分を受け容れることがあって、「受け容れる」ということが、どんなに言葉で捉えていたものよりも難しいのかも体験しました。(今となれば、難しいというよりも、自分が頑なだっただけなんですけれどね)
自分を受け容れたときに人の事を受け容れる度量が格段に広がった気がしました。

お気づきかと思いますが、自分の中で大切な事を大切にすることは、受け容れることでもあるのかなと。でも、それで絞られてしまって頑なになるわけではなく、自分を客観的にみることも、主観的に捉えることもできるようになったことで、周囲の人を受け容れる度量も大きくなったのです。矛盾しているように感じることが体感として実感していることとしてあるのです。

最近、あるクライアントさんに、私の心が狭いなあという考え方を見てしまって、こう捉えるトレーニングをしてみることにしたという話しを暴露しました。弱みを見せたくなかった若い頃の私はもう居ません。
その事によって、そのクライアントさんも、自分の心の中の声を表現してくださるようになりました。そして、その事をしっかり受け留めている自分を感じることもできましたし、その方の声がその後優しくなることを感じました。

自分が大切にしているものがどんなに心が狭いなと思うようなことでも、それは本当に狭いわけじゃなく、大切にしたいものを大切にしているだけなんだと私は思います。
もしも、それを変化させたいと思えば、その時に考えれば良いことで、最初から自分で自分を否定したり、隠したりすることでもないのではないかと今は思っています。ただ、なかなかそれを信頼して話すことの出来る人というのは少ないものだとも思います。それは、また後日に機会があればお話します。

ただ、大切にしているものが何なのか。私なんか小さいなあって思うこともありますよ。でも、それから目を背けて自分と向き合ってなかったころよりも、今は「寄り添っている」感覚で、自分が自分の一番の味方で居てくれる気がしています。
きっと、この感覚ってリーダーの人達には必要とされるものではないのでしょうか。

あなたが大切にしているものって、綺麗な言葉でなくてもいい、どんなことですか?
あなたはあなたと向き合ったことがありますか?
あなたはあなたに寄り添っていますか?

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