先日、ちょっとだけ話しをした人が居ます。その人は非常に優れているのだけれど、これからどうしていったらいいのかを迷っていらっしゃいました。そこでお話したことを少しだけ・・・。
その人はキャリアプランについて悩んでいらっしゃいました。
その場面で、その人が出来ることが沢山あるのに、見えていないのです。
つまり、「得意なこと」というのは、その人にとっては当たり前すぎてその人には「自分ができること=人もできること」になってしまっているのです。けれども、「好き嫌い」とは別で、「嫌いではないけれど、得意なこと」が沢山あるという事にその時話していて気付かれました。
同じようなことがありました。
すごく論理的に考え、伝え上手で、紙面に落とし込むのも非常に優れていらっしゃる方が居ます。けれども、その人にとっては当たり前なので、周囲ができないことに対して腹を立てていらっしゃいました。
「できることが普通じゃなくて、できないことが普通のように私は思うんですが・・・。」と僭越ながらその年上の方に伝えたところ、「そうなの?だったら私ができるってこと?」とビックリしながらも、だったら教えなければならないけれど、自分には普通のことだから、教え方が分からないと仰っていました。
そんなわけで、その人の考え方を話しを聴いた後に、具体的に行動としてどんな違いが出てくるのかを考えました。考えるときに自分にしている「問い」があれば、見つけ出してみることにしました。この作業を部下と共にしているのを私はサポートしていたのですが、部下も「考え方はマネできませんが、問いと行動は少しでもしてみます」と明るい表情になっていました。
そして、上司である本人も、「自分のことって見えてないもんだね。言ってくれなかったら、ずっとあの部下に駄目だしし続けて、辞めさせていたかも」と苦笑いを浮かべていらっしゃいました。
私自身が今話したような上司と同じような経験をしていたからこそ、伝えられたものかもしれません。
けれども、私の場合は上司の「あんたは他の人の三倍やっているんだから。それが普通なわけないでしょ!」と吐き捨てるように言われた言葉がきっかけでした。どんな言われ方にしても、自分には当たり前になってしまっていることというのは、当たり前すぎて分からないんですよね。人と関わることでしか見えないし、伝えてもらわなかったら見えないものだと思います。きっとそのためにも私達コーチの仕事っていうのはあるのかもしれないなと思います。
話しは戻りますが・・・。
結局、最初にお話をされた方は、せっかく持っている才能なら活かしたいと、自分のキャリアについて前向きに考えるきっかけにされていました。「好きなこと」が見つからなくて、ずっともがいていらっしゃいましたし、嫌いなことははっきりしているので、嫌いじゃなくて得意なこととまず向き合ってみるとおっしゃいました。そして最後に
「好きなことって何だろう?と思って、今じゃ駄目だと漠然と考え、今のことに一生懸命になれずに居ました。けれども、得意不得意って事で考えてみると、確かに得意だし、嫌いじゃない。まずは、今目の前のそのことを真剣にやってみてから判断すればいいと思えるようになりました。その上でもっと好きになれば、きっとこれが私のやりたいことなんでしょうね」
そう言って、笑顔になっていらっしゃいました。
特に得意なことって見え辛いですよね。
自分にとって当たり前だもの。
自慢ではなく、どうして大した経歴もない私が大手企業様の人事や経営者の皆様に気に入っていただけてスカウトされるのか私には分かりません。講師として、どうして「他の人と違って聞きやすい」「心に残る」などと言っていただけるのか分かりません。でも、それもやっと周囲の人達に「どうしてそう思うのか」を聞いて、分かってきた部分があります。自分には見えなくて人に見えているものに対し、自分自身が「私はそんな人じゃないですよ、誤解ですよ」と思ってしまうのだけれど、それでも「もしかしてそうならば、それを伝えてみよう」と思えるようにもなってきました。
「私ってまあまあいけてるの?うふ」なんて喜んでみながら、少しでも周囲の人に還元していけたらいいなと思っています。
まだまだ発展途上ですが、既に自分が持っているらしいものは私の才能だと信じて、磨いていきたいです。
そして、コーチとしても、人としても、周囲の人のそんな「自分に見えてない才能」を言葉として見つけて、伝え続けたいと思います。
誰しも持っているあなたにしかない才能・・・・・・・
当たり前すぎて見えてないだけで、誰にでもある。
私はそう考えています。
あなたの才能は?
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