効率化の発想

昨日(2010年7月28日)、日中に車で出かけた時にたまたまラジオをつけたつもりが、テレビがついてしまったようで、画面は見えないけれど音声だけを聴いていました。するとサイゼリア会長正垣泰彦氏のお話でした。

正垣氏は、まずはお客様に喜んでいただけることが大前提。そのために価格を下げ、赤字にならないようにするのはそのあとの企業努力だ。という事をおっしゃっていました。
その言葉を聴いていて、「これぞ効率化の原点だ!」と思いました。

製造で、以前元トヨタ自動車の工場長か何かをされていた方の話を伺った時に、「まず人を減らしなさい。そうすれば、同じ時間で同じようになるように自ずと考えるようになる。」と仰っていたのを思い出します。
前の職場でも、間接部門社員を増やさないでやれる方法はないかと、上司に相談し、かなり自分のアイデアを導入していただきました。そのおかげで作業の効率化が進んだこともはっきり体験として残っています。

こうして考えると、「無理か出来るか」ではなく、まず条件を決めてみる。それに対して「どうしたらよいか」を考えていく中で、自然と効率化せざるを得ない状態が作られてきた気がします。

部下に1時間に500個しか生産できないものを、3時間で2300個作らなければならなくなりました。お客様の要望です。無理と言ってしまえば一言ですが、営業をしていた私はお客様の希望を聞きたかった。「最善を尽くしますが、もしかしたら800個だけ別の便で運ぶ事になるかもしれません。まずは全部納品できるように今から取り掛かります」と、約束が守れないことを恐れてお伝えはしたものの、気持ちは2300個でした。すぐに現場と話しをし、今からどうしたらいいか、考えている暇はないから、やりながら考えてみよう。すぐに始まった作業の中で今まで出来なかったことが出来ていくようになった。他のラインを止めてでも生産しよう。そのためにはこうした準備がいる。ずらしたものも今日納品できるようにするにはどうしたらいいか。一つの仕事を追加することで、関連して多くのことが動き出しました。荷物を最短で積むためには?検査で不良が少なければ検査も早い。そのためには?一番時間のかかる部分をどうしたら少しでも早くできるのか。その間に今日できる他の作業でできることはないか。全員が知恵を出し合いました。

結果としてどうなったでしょうか。

15分遅れてしまったのですが、2300個が完成しました。途中経過を報告していたため、30分は時間にゆとりをもらっていましたので、納品も無事に完了。全員に感謝を伝えながら、今なんで出来たんだろうねという事を振り返った。
次に活かせるように。

効率化は、日頃から考えてはいました。けれどもその時には本当に小さな小さな効率化になってしまっていました。きっと自分達も大きく変わることはできないと決め付けていたのかもしれません。「ここまでやっているのだから」という自負もあったのかもしれません。
けれども、現実には違いました。

車で聴いた正垣氏の話しは、その事を思い出させてくれました。普通のフレンチレストランで出しているものの金額を7割カットしたらお客様が増えた。このお客様に喜んでもらい続けるために自分達がこれでも黒字にしていかないといけない。そのためにどうするのか?レタスが丸くては運ぶときに非効率だから四角いレタスを作ろうとか、おいしいワインを低価格で飲んでいただこうとか。企業努力という言葉は、経営者だけではなく、そこにいる人達の知恵からも生まれるものなのだと、効率化と結びつけたときに痛感します。

たまたま車の中でテレビの話し。私がワクワクしながらやっていた仕事の一端を思い出しました。効率化って自分達を苦しめるものではなく、お客様を喜ばせ、自分達の限界を越えさせ、知恵の集結を感じさせてくれるものだと今改めて考えています。

あなたの夢、半分の期間で実現するにはどうしますか。
あなたの仕事、お客様のために何をしたいですか。実現するためにはどうしましょうか。

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