どんな人が信頼されるのかは有事に試される

ある企業様で、すごく部下思いの上司と私が受け止めているAさんがいらっしゃいました。
が、聞こえてくるのは「Aさんの部下にはなりたくない」「Aさんが上司なら近い内にやめる」という声でした。

なぜ、そこまで言われているんだろうか?すごく部下思いの方なのに。

具体例を聞いて少し納得してしまいました。
普段はすごくゆとりもある方ですし、部下思いなのですが、あるトラブルが起こった時に、
「いつも言っているよね」
「私じゃないよ。誰?」
が一言目、二言目だったそうです。その瞬間、部下は「ああ、自分が優先なんだ」と気づいたと話してくれました。

嫌だといっている人たちがみんなその場に居たわけじゃないから、噂として広まったのかなと思い、他の人にも聞いてみると、クレームが来た時にも「すぐに確認して、言っておきます。」と、自分じゃないよ、と無意識に発していたのだとか、いろいろと体験が話されました。

360度フィードバックの時期だったので、Aさんの自己評価と部下からの評価の差にAさんはショックをうけていらっしゃいました。「どうしてここまでみんなのために動いているのに。」と言いながら評価を見ても、有事の事が書いてあるわけでもなく、気づかなそうでした。

Aさんに、〇〇のトラブルの際にはどういう事を発してどうまとめたのですか。と伺うと、最初の言葉などは無意識だったのでしょうか、覚えていらっしゃらない様子でした。なので、すごく部下思い、会社思いの行動に見えます。
同じようなトラブルが、ちょうどそんな話の時に起こってしまったのです。その対応を聴いていたら、確かに「自分ではないよ」「部下が悪い」と聞こえなくもない。でも、聞き方によっては客観的に伝えているだけのようにも聞こえます。

以前の有事の時の言動で既に、信頼を失ってしまっているので、皆さんには悪い方にしか取れないようでした。

すごく率先して動いていますけれど、取り方によっては確かに「会社のため」「部下のため」と普段言っていることと、今の言葉の違いに違和感がありました。こういう時こそ団結するものじゃないのかなあと私は勝手に思っていたのですが、有事の時ほど、特にリーダーは「資質」や「信頼」を問われてしまうのですね。

そのトラブル対応が収まった後に、Aさんと改めてその時の話をしました。
私が聞いた事をそのまま伝えたら、「自分が部下なら信用できないかも。それ、私が言いましたか?」と仰って、驚かれて今いた。が、その後に、「もう失った信頼に言い訳しても仕方ないので、これから気を付けます。」と仰っていました。

有事の時にその人の素が見え、信頼できるかどうかが改めて問われてしまうのですね。
何も起きないようにすることも大切ですが、起こった時にどうするのか。「素」と普段に違いがあるほど、信頼にも響いてくるのかもしれません。

あなたは急に何かトラブルが起こった時、真っ先に何を考えますか。

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