リーダーが共に成長しようと思うまでの葛藤

お恥ずかしい話しですが、勤め始め、認められ始めた頃の私は「これぞ私の居場所!」という役割を見つけてからは、活き活きしていましたが、ある時その領域を脅かす人が現れた時に情けない自分を見ました。「自分って小さいなあ」って。でも、その自分があったからこそ、今の自分があるのかもしれません。

私が自分の領域を脅かされたと思った事は数知れずあります。けれども、どこかで「領域が同じでもレベルが違うでしょ」という上司の言ってくれた言葉を「そうなのかな」と思えている間はまだゆとりをもって接していました。
ところが、同じ領域を任せる部下が入った時に「似てる」と思ったのです。その「似てる」が自分の成長を重ねることとなり、勝手に焦りました。「どうしよう。私の居場所がなくなっちゃう。」と考えての焦りでした。

「せっかく作り上げてきたのに」「やっと居場所ができたのに」と言う思いがよぎります。けれども、その部下が居ないと私の仕事は手が回りません。
結局、誰でもできる仕事から回すことにしました。けれども、やっぱりこれもあれもと彼女が気付くのです。最初は正直、自分が要らなくならないか心配でした。自分の身を守ることに必死になりたいくらいでした。
けれども、散々自分で抱え込んできた仕事量は半端なく多かったので、失敗してお客様や社員に迷惑をかけるくらいなら、嫌でもこの人に任せるしかないと毎日のように言い聞かせて、仕事を回しました。どんどん私の仕事は減るようにみえました。

そこで、私はふと仕事を彼女と同じ頃どうしていたんだろう?と思いました。

色々工夫をして仕事を簡素化させたりするのが楽しかったのです。彼女は簡素化する以上に、色をつけたり、表にまとめるのが好きでした。私の元のデータ表は色がつき、どんどん見やすくなりました。私が教えたことは、どんどんと引継ぎ表のようにまとまっていきました。
彼女と私の仕事は似ているけれど、やれる領域が違う。彼女のよさを引き出してあげるのも私の役目だなと、彼女のよさを引き出すのが楽しくなってきました。

と同時に、私が得意とする領域で、今まで忙しくて出来てなかった部分はないのか?と考えると、色んな領域をみていただけに、まだ山のようにありました。彼女に仕事を回した分、私はそのやりたくてもできてなかったことをすることにしました。

時には、見やすくする事が得意の彼女に相談することもありました。
そうなると、お互いの仕事の事を理解試合ながらも、それぞれにしかできない領域を相談しあいながら、よりよい成果物を手に入れることができるようになったのです。

これらの体験はコーチしてやっていく上での自分のよい体験となりました。人の成長をサポートするといいながらも、心のどこかで違う自分が居た事。その時期を越えて、人の成長に関わることの意味や、自分が動揺しないために、自分を知ることも大切だと体感しました。

頭で理解していることと、実際に思う事が違うこととが違う場面だってあることも知りました。

その後、多くのリーダーの皆さんに出会いましたが、私と同じような葛藤のウズの中に居る人もいらっしゃるんじゃないかと思います。みんなが同じだとは思っていませんが、もしもそんな人が居たら、安心してください。
あなたには、あなたにしかできない事があります。
あなたには、あなたにしかないよさがあります。
あなたと、部下は違います。
それぞれのよさを発揮できるように自分が動けたときに、自然にあなたは成長をしているでしょう。

私とあなたとは、違う内容の葛藤かもしれません。
けれども、人を育てることがマネジャーの役割であるとしたら、やってみて気付くこともあるかもしれません。生意気な部下が調子にのるかもしれません(失敬)。でも、あなた自身の成長にも繋がり、やがてそのマネジャーやリーダーとしての領域で、新たに認められることになるでしょう。

体験したからこそ力を込めて語ります。

あなたの中にはどんな葛藤がありますか。

葛藤を戦わせるのではなく、葛藤の両方を手に入れる方法を見つけるのが、私の成長だったのかも・・・。
あなたは?

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