評価する前に育成

多分、私の価値観でしかないと思いますが、「あの人は適任じゃない」「あの性格では無理」など、特にダメ出しの評価を聞くと、そのダメ出しをする前に、どれだけその人達に関わってきたのかを聞いてみたい。

確かにビジネスでは結果から先に言うものだとは思います。
けれども、人に対しては、上に立つ人は育成に関わることも仕事だとしたら、部下への駄目だしは、自分の能力がなかったと言っていることにもなるのではないでしょうか。(これは完全に前職の先代社長からの教えが刷り込まれているものかもしれませんが)

何をしても無理、と思う所までやってみて、最終評価をしたのであれば、そこは適材適所の検討も必要だけれど、まだ育成に関わってもいないのに評価だけするのは、いかがなものかと私は考えてしまいます。

もうかなり前になるのですが、子供が勉強ができないのに凄く明るくて、努力をしようともしなかった時期があります。もう少しやってみない?と言うと、「私が居るから、他の子が出来るって言われるんだから、私みたいな子が居て皆助かってると思う。」とあっけらかんと。

その視点なかったなあと、一瞬感動もしました。まあやる気になるまで待とうと思った事がありました。
今は少し年齢的にも成長して、「あの時からやっておけばこんな苦労もしなかったかもね。まあ、皆がコツコツやってた分、私は今やるしかない。結局いつかはやる事になるんだね。」と言っています。

この子の最初の発言を聞いて、たまに仕事で考える事があります。これで全員ができる人だとしても、その中でまた優劣をつけちゃいがちなんだろうなあ。そう思うと、底上げは大切な任務だけれど、その人達を「駄目」ではなく、「うまく活かす」「成長させる事に関わる」のが上司の役目なんだろうな、と何度も娘の言葉に戻る事があります。

それぞれの役割がそのままでもあるのだろう。けれど、評価する前にやれる事をちゃんとやろう。関わって、やれる人達が仕事をしやすくもしてあげたい。やれないと言われる人達をいかに活かすのかを考えながら、良い点を磨いていきたい。

外部から関わる企業様に対しても同じ思いがあります。
「あの人が悪い」ではない。「何をしたらよいのか」「その人をどう活かすのか」「伝えなければならないことは何で、その後の関わりをどうしていくのか」それ以外にもたくさん考える事はあるはずです。
そんな視点を根付かせることができたらいいなと思いますが、考えは早々変わるわけではないので、その方々の考え方をどう活かし、私はその人達にどう関わるのか。

内部であろうが、外部であろうが、やれることは同じだなあとつくづく感じている今日この頃です。

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