商売っ気って何なのか

経営側も経験し、組織の運営に携わり、お客様と直接接するお仕事をさせていただくと、「お金」という所は正直切り離せません。
ボランティアであっても、収入がなかったら、継続は難しいわけですし、身体だけを提供すればできることでしたらできますが、少し移動が伴うだけで、出費はありますし、家族の協力も必須になります。

そうなると、「お金」の事は二の次と思えるようになるのは、ある程度収入が安定している人が言える事なんだなあとつくづく感じます。

矛盾しているのかもしれませんが、それだけの事が解っているのに、「お金、収入、売り上げ」とそこばかり気にしている人は卑しく見えてしまい、近づこうとは思えない。
けれど、お人よし過ぎても、「大丈夫かなあ」と心配になる。
凄く難しいなと思います。

会社員の頃は、本当にお客様と仲間の事、途中からは会社の事も考える事で、収入も得られるし、喜んでいただけるし、満足でした。
多分、収入が安定していたからこそ、お客様や仲間に集中できたのだと思います。

独立をして、家族の支えもあり、私は最初から、お客様やその先にいらっしゃる方々の事を考える事に集中できる環境がありました。
だからこそ、これも恵まれている事に「お金」という事を思うほど意識しなくても良かったのです。

しかし、独立して少し経って、経営のメンターとお話しをしている時に、「ちゃんとお金について考えていますか。」という質問を受けました。もちろん経営や経理に携わっていた人間としては、全く考えないわけではないにしても、「マイナスでない程度で良いのです。お客様のためになれるのでしたら。」とお話しをしたところ、凄い勢いで叱られました。

「あなたが、今後経営者の皆さんとも関わりたいと思うのならば、そもそもあなたがちゃんと黒字を出せる人でないと、信頼されない。もっと計画的にお金についても考えるべきです。コーチだから、相手は相手、という考えでは、信頼されないと思いますよ。というより、私は信頼しませんし、薦めもできません。」とはっきりとした口調で、叱っていただきました。

その出会いを元に、しっかり計画を立て、多分、鈍感になりたい部分であったお金について考える機会も再度向き合う事になりました。
でも、「お金ありき」の考え方には、私は抵抗があり、「良いものを提供し、お客様に喜んでいただくからこそ、次の仕事に繋がっていく」という考えはこだわりとして変えたくないとメンターにも伝えました。

すると、メンターは「そのあなたが提供してくれているものをどう広げていくのか」「どう付加価値としてお金に反映させていくのか」それを考えていくのが経営者であるとしたら、あなたはその点についての考えが甘いから、そうした視点を経営者に問う事はできないだろう。
しっかり、あなたが「商売」というものに対し、向き合う事で、経営者が欲しい問いを投げられるようになるのではないか。と。

メンターには本当に痛いところを突かれた気持ちにもなりましたし、そのたびに考えさせられる事ばかりです。
けれども、既に十数年が経ち、年々早めに予定が埋まるようになっている今となっては、私の原点でもある「お客様に喜んでいただきたい」という思いだけでも、繋がっていくのではないかと思いたい。

最近、定期的にお会いできていたメンターとお会いできる機会が見当たらず、独りよがりになっている部分があるのかもしれませんが、またメンターとお会いしたときに、「頑張っているね」と言っていただける自分でありたいと思います。
また、メンターとの出会いのおかげで、多くの経営者様と関われる機会をいただいております。そのことに関しては、メンターに感謝しかありません。

商売っ気と言われるものは、「お客様に喜んでいただく事」と「お金」が両輪なのかもしれません。全国を飛び回れるのも、安定したお仕事として継続させていただいているからです。
どちらかが駄目になるとしたら、私はお客様に喜んでいただく事を選べる環境にあること。これには家族にも感謝です。

メンターと家族の支えがあってこそ、お客様に集中させていただける商売を続けられている。
そのことに感謝をしつつ、お客様に喜んでいただけるものを提供し続けたいと思いますし、メンターの「付加価値」についても、考え続けたいと思いました。

連休で、少し一点集中しすぎていた頭を、俯瞰的に眺めてみて、改めて感じた事を書いてみました。

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