企業が衰退する時、人が輝かなくなる時

私は、小学生の頃から父親にお寺に連れて行ってもらったり、おうちでお経を読むのを一緒にしていたり、当時は意味が分からなかったことに付き合わされて、決して良いイメージはありませんでした。が、中学2年生の時に小さな辞典に出会ってから変わりました。それが、今の私を支えている言葉の一つでもあり、あなたにも伝えたい言葉でもあります。

中学2年生の時でした。当時私の1ヶ月のお小遣いは500円でした。周りのみんなが1000円だ3000円だと言っている頃でしたが、「欲しいものは自分で貯めて買ってこそありがたみがある。だから、本当に必要なものがあったら買えるだけのお金があればいい」という父の教育方針で、500円のお小遣いの中、当時から本に興味がありながらも、購入できなかった私。図書館で借りる本もあるけれど、勉学少女みたいに見られたくない私は、本屋さんで立ち読みをすることが多かったのです。そんな時、小さな事典が目に入りました。

「ことわざ小事典」(永岡書店発行)

これがなんと350円だったのです。「買える!」思わず衝動買いのように買いました。すごく恥ずかしいのですが、ぺらぺらとめくった時に、ことわざが知りたかったわけではなく、第2章として、著名な方々の名言が載っていたのです。いろんな本は一気に読めないけれど、どの人がどんな言葉を発しているのか、ここから興味を持った人の本を読めばいいんだと、自分の好きな著者を探すために購入しようと思ったのです。お小遣いの少ない私なりの知恵だったのです。

こうして買った事典の中で、最初に読んだのが、「愛と友情について」の名言でした。中学1年生の後半から先輩達にいじめられているのを見て、同級生からも無視されるようになっていた当時、友情って何なんだ?と考えたことがありました。だからこそ、その部分が一番気になっていたのだと思います。

その1節は今でも覚えています。

「好きな女も嫌な女もあり、その好きな女にも嫌なところがあって、その興味をもっている全ての女の中で、あなたが一番好きと言われてこそ、あなたは本当に愛されているんじゃありませんか。」 (夏目漱石さんの言葉)

当時、無視した友達はひどいと思っていたけれど、この言葉を目にした時、私は先輩達以上に愛される自分じゃなかったんだ。先輩が悪いわけでも、友達が悪いだけでもない。私の嫌な部分が、みんなにとって嫌だったんだろうな。と思ったのでした。

それだけじゃなく、好きな人にも嫌いなところはある。だから嫌いな部分も丸ごとその人なんだと思えることが本当の愛情なんだなあと思いました。姉妹や親と同じなんだなあと。人の見方も変わったんです。

自分が自分自身で嫌いな部分があれば、変えればいいし、そうでなければ、それでも丸ごと私だと思えばいいんだと。当時、今でいう「受け止める」という事を体感していたのかもしれません。
そして、受け止めた上で変化させたいことを変えていけばいい。見ないフリをするのではなく・・・。

昨日のことです。
そんな事を思い出していたら、ふと昔からやっていた書道をやってない期間が長く、字が下手になり見たくなくて、墨だけ摺って満足している自分を思い出しました。
そこで、昨日は下手になった自分を受け止めようと字を書きました。見事に下手です。さすがに長くやっていたから、何となく感覚は戻ってくるのですが、1時間書いてもやっぱり元には戻りません。
いかに続けることが大切なのかと思いました。

人が成長するときというのは、磨き続けているから光り輝くのであって、放っておいたら成長はない。その時の自分を受け止めて、さらに磨き続ける事が大切なのだと思いました。サボればすぐに成長は止まります。
企業も同じではないでしょうか。

先ばかりを追いかけていても、現状を見つめることも大切。現状ばかりではなく先に向けて進み続けることも大切。宵も悪いも受け止め、悪い部分も自分達にとって個性ならば、そこを磨けばいいし、変えたければ変えればいい。受け止め方だってそれぞれだもの。ついつい、悪い部分には蓋をしたくなるけれど、しっかり見つめる事も大切ではないかと私は思います。

頭で分かっていても、ついつい蓋をしてしまっていた自分に気づき、書いてみました。

あなたは・・・
あなたの企業は・・・・
どんな成長を続けていますか。

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