認められるからこそ未来へ思考が向けられる

子育て、部下育成などは、「正解」と言われる事はないと思います。試行錯誤しながら時代に合わせて、今はこれが良いだのなんだのと言われる事があっても、「これだけは正解」というものがあるわけではない。
とは言え、思考として言われている普遍的なものはある気がしています。特にドラッガーさん、アドラーさん他、たくさんの論理・心理を説いたものというのは、たくさんの本が出ていても、そこに戻っていくものだと感じています。
だとすると、自分が信じる本を見つけ、じっくり実践すれば、自ずと自分が望む結果に近づいていくのかもしれません。

そうは言っても、難しいのが、部下育成や子育て。

私はコーチングでも研修でも、経営者や管理者層にお会いする機会も多い方だと思いますが、本当にたくさんの育成論、経営論をお伺いできます。決めつけず、その効果を伺ってみたり、今ぶち当たっている壁の話をお伺いすることもあります。
その中で、うまく行っていると仰る経営者の共通点は、「褒め上手」なこと。

良いところを伝えてくれているというだけでなく、部下の事を良くご存知であること。その上、「いやあ、そこは聞いてみないと解らない」と、解っているだろうことも想像であまり物を仰らないのが素晴らしいなといつも感じます。

自分もマネしたいなと思っても、今は直接の部下が居ませんから、直ぐに試せる場としては子育てに役立ててみようとしています。
が、自分で言うのもなんですが、子どもにとって最善なのかどうか、迷う事だらけで、本当に解ってないなと思うことが多いです。

そんな時、ママ友に「○○ちゃん(娘)と話してて、お母さんとの会話が○○ちゃんの安定に繋がっていると思うし、○○ちゃんとの信頼関係はばっちりだと思ったよ。これからも今みたいに接してたら、○○ちゃんにとっては一番嬉しいことだろうし、一番良いことなんじゃないかと思ったよ。」と言われ、子どもを3人も優しくて、誰からも好かれるようなお子様に育てているお母さんに認めてもらえたのが有難くて、目頭が熱くなってしまいました。

迷っているからこそ、「それでいいと思うよ」「こんな風に育っているよね」と言ってもらえる事が、こんなにホッとすることなんだなあと改めて感じました。

「うんうん、頑張っているんだね」「うんうん、××しているんだね」と、気持ちを察して伝える事、相手の行動や、繰り返す言葉を伝える事は沢山意識して、していたけれど、迷ったときに、いくら自分の二極化した受け止め方であっても、「いいね」「そのおかげで、こういう風に育っているんだね」と言われたら、迷いは吹き飛び、迷っていたはずの課題だけが浮き彫りになってくるんだと感じました。

迷いから、課題へ。

「これでいいのかな」とふわふわしていた思いではなく、「これで良かったとしたら、今娘がぶつかっている壁を乗り越えようともがいている時に、私はどう関わったら良いのだろうか。」と今や先の事を考えた課題に変わるのを、今回体験したのです。

「悩んでいる」のは「過去から今」に関してだったのかもしれません。
けれど、「それでいい」という一言が、どれだけ気持ちを楽にしてくれて、「今から未来へ」の思考に変えてくれるのか、体験できたのは大きかったように思います。

コーチングをしていて悩むのは、「いいね」という言葉。
それは私が聞いていて思っただけで、本当に周りの人達は良いと感じているのだろうか。本人は本当はどう感じているのだろうか。

そう思うと、「いいね」を減らして、「そうなんですね」「そう思っていらっしゃるんですね」「迷っていらっしゃるんですね」なんて、相手の今の状況を伝えるのが一番良いと思っていたけれど、「いいね」の方が未来に繋がる事もあるんだろうと、今回体感できました。

メンターコーチが、「マスターコーチになったら、守破離の離。相手が『コーチはどう感じたんだろう』『コーチならどう考えるだろう』を知りたいと感じた時に、どう接するのかの選択肢をたくさん持つことも必要じゃないかな」と仰っていたのを思い出しました。

普段の会話の中でさえ、こうして一歩前に進む力をいただけるのであれば、私はもっと自由に、未来を試す場を提供できる選択肢を増やしてみたいなと思いました。その一つが、認め方。
型にはまらず、「いいね」と感じたら、「いいね」と伝えてみようと思いました。

ママ友というより、子育ての大先輩ではありますが、私はいつも彼女に認めていただいてばかりで、私は彼女に何かできているのだろうか。
せめて感謝を口にしては居るけれど、彼女の素敵な部分を伝えた事ないなあ。大先輩ですから、伝え方はありますが、言葉にしていない部分は伝えてみたいなと思います。

あなたは、悩んでいる人に、どんな言葉をかけていますか。

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