暗黙知を形式知に変える

昨日はとある企業様のマネジメント研修でした。その企業様では2年以上前から、20名くらいずつマネジャーがこの研修を受けていらっしゃったのですが、会社の中に手法が定着してきていて「暗黙知」になりつつある部分を、改めてこの研修後に何がどのように変化してきたのかを振り返り、形式知にするという事をしました。その事で、新しいマネジャーも真似をできるような状態にしておこうという意図です。その内容が素晴らしかったです。

「マネジャーが全て考えなくてはならないと思っていたけれど、部下を信じて任せていくだけで、部下から提案などがあがるようになったんだよね。課長なんていらないくらいの状態だよ。僕(課長)は、人とのかかわりに時間を使ってあげることで、成果があがってくるわけだから、全く今までとは時間の使い方が変わってしまったよ。」

「静かな会議が多かったんだけれど、最近では僕は末席でみんなの意見を優先するから、自分達で考えてごらんって状態で、みんなで考えてくれることを優先するようにしたら、意見が活発で、知らないうちに自分達で何か起こるたびに集まって話し合うようになったよ。僕はそこを見守りながら、完全に方向性がずれているときに一回止めるだけ。止めさえすれば、自分達で軌道修正していけるようになっているからね。この変化はすごいよ。最初は僕も我慢我慢だったけれど、今はその頃が嘘みたいだよ」

「改善提案がどんどんでてくるようになって、おかげで社内表彰を2年間しているよ。部下もみんな改善活動を楽しんでいるんだよね。僕が指示命令していたら、こんな事はありえなかっただろうね」

こんな言葉がどんどん上がってきました。
課長級の皆さんなので、人のかかわりが変化しただけなのに、こんなに変化するという事を目の当たりにしました。これらのために、いったい何をしてきたのかをもっともっと具体化していくことによって、真似できるレベルまで細かく「形式知」にしてみると、皆さんの変化だけでなく、企業様の変化も感じました。聴いている皆さんの表情や聴き方が既に研修をした頃とは違っているのですからすごいことです。

参加した皆さんも「いつのまにか当たり前になっていて、こんなに自分のかかわりが変わったことも気付いてなかったんだな。」と仰っていました。他の人の取り組みを更に自分の課の参考にとメモをする様子も全く変化していました。変化を一緒に聞かせていただけたことは、私も関われてよかったという思いにさせていただきました。

ただの自慢大会でもなく、自然にやれるようになったことをマネできる形にしておくことは大切な事なんだとも気付かせていただきました。

皆さんは自然にできていることを何度も誰でも出来る形に形式化できるとしたら、どんな事を形式化しておきますか。

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