「一歩進む」をどう捉えるか

先日、ある企業の方とお会いした時に、「一歩進む」という事をどう捉えるのかによって、先も違ってくるのだろうなと考えさせられました。

その方は、ある企業の社員Aさんです。
こんなことを仰っていました。
「今、うちの社長は迷走しているように思います。しかし、危機感が伝わってきています。きっとこの危機的状況はここ半年近くは変わってないはずなのに、今までは『お前ら頑張れ』と丸投げされているだけの気がしていました。けれども、やっと社長が、迷走しながらも、参加しようとしている。一緒になって何かやろうとしている。そんな迷走なら、大歓迎です。私達も頑張らないとなと思えます。やっと本気で一歩進める気がします。」と。

やけに冷静に見ているんだなあと感心しながらも、何だか社長が迷走してしまうことよりも、本気になられた事を歓迎しているというのは伝わってきました。

違う日に、同じ企業の別の社員さんに、「最近はどんな様子ですか。」と伺いました。
すると、「やばいですよ。社長がわけ分からない事ばかり言って、統一感がないので、どう進んだらいいのか解らなくなってきました。このままだと、この会社、やばいと思います。」と仰るんです。
私が「そうですか、企業も新しい道を模索されているのですね。新しい道を切り開いていけると良いですね。」と伝えると、「面白い見方をしますね。」と。

どちらの社員さんの置かれている状況は同じはずなのに、捉え方で全く違うように見えているようです。
しかし、きっとどちらも正解なのでしょうね。
社長の立ち止まっていられない様子をどう捉えるかが違うのでしょうね。

しかし、「進む」と捉えるのか、「進まない」と捉えるのか、全く受け取り方が変わる事で、社員の危機感が、どこに向かうのかが違ってきそうな気がします。
だったら、社長が今、どう捉えているのか、なぜそういう動きをしているのか、を、共有することも大切な気がしました。

「一歩進む」ために、どのようなエネルギーを使うのか。
誰と進むのか。
何を一歩と捉えるのか。

一人で考えるのではなく、大変な時には変わらないようなので、その大切な「一歩」をどう進んでいきたいのかを、前向きに伝えてほしいですよね。できれば、一緒に考えられる社員や、幹部がいらっしゃると良いのでしょうね。

一歩進むって、エネルギーが要る時と、そんなにエネルギーを使わなくても進める時があるように私は感じています。
けれども、「一歩進むのにエネルギーが要る」と思う時ほど、周りとどう進むのか、どんな一歩を歩もうとしているのかは、企業であれば共有したいですね。
共有することで、まずは一人で頑張るのか、手伝ってもらえるのかは、日頃の周りとの信頼関係などが見えるところかなとも思います。

この企業様が、良い「一歩」を積み重ねていかれることを楽しみにしたいものです。

そして、私自身も、一歩をどう進むのか、誰と進むのか、考えてみたいと思います。

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