信じているから厳しくできる

昨日(2010年9月7日)の午後でした。携帯電話がなりました。夕方からの仕事の準備をしている時だったので、集中していてすぐに電話に気付かず、「あれ?鳴っている」と気付く頃には留守電メッセージが流れ始めていました。それでも慌てて電話をとってみると、本も何冊も執筆され、講演などで日本中を駆け回っていらっしゃる朝倉千恵子先生の部下からでした。

その時の内容はお伝えできませんが、少しお話をさせていただいた後に、朝倉千恵子先生とお話をさせていただけました。その時に先生が仰っていた事が今も耳に残っています。

「私は、この人なら出来ると信じているからこそ、厳しくできるし、厳しくするのです。確かに頑張った事を認めてあげてもいいのかもしれないけれど、それでその人の可能性を潰してしまうわけにはいかない。だから、時に厳しく、自分で今の状況を受け入れ、乗り越えてもらいたい。私はこの人の成長や可能性を信じているんです。」

とても力強い口調で伝えてくださいました。

組織の中ではどうしても馴れ合いになってしまう部分があります。けれども、それは相手の成長を奪ってしまうことにもなりかねません。
先週お会いしたリーダーさんがこんな事を仰いました。
「うちの部下は言われたことしかできない。やる気もない。だから、仕事を任せることは出来ない。いつまで経っても私は楽できない。まあ、自分で選んだ道だから、楽をしようと思わないけれど、もう少しできる部下だったら、私も楽なのにな。」
ちょっと待ってよ。成長させるように関わってあげようとはしないのかな?と思い、「部下の成長のためにされていることってどんな事なんですか」と聴いてみました。すると、最近諦めて、ルーティンワークしか業務としてやってもらってないとのこと。というよりも、「成長?成長させるってあまり真剣に考えたことないな」と仰った事の方がインパクトがありました。

最初から出来る人というのは数少ない。多くの人達が実際の仕事を通して学び、成長していく。それを「ここまでだ」と上司が思ってしまったら、その人の成長はそこで止まってしまいませんか。
その後、どうしようねと、部下の成長についてコーチングではなく、1対1でディスカッションをしました。その後、そのリーダーは「部下を信頼してやらせてみようかな。失敗するのが当然と思って、失敗した時を成長の機会にしてあげれば、もっと出来る奴になるんだろうな。私が成長の機会を潰していたのかもな」と語られました。

今回の朝倉千恵子先生の話はまさに、相手を信じている姿勢でした。そのために、一週間前お会いしたリーダーの話しとすぐにリンクしてしまったのです。
馴れ合いが部下の成長の機会を潰してしまうかもしれない。相手を信じるからこそ厳しくできる。そのための信頼関係の構築は必要なのでしょうが、きっと相手が成長した時に、その気持ちは初めて伝わるのでしょうね。そういう意味では子育ても同じなのかもしれませんね。

あなたは、相手の可能性を信じて、厳しく伝える事もできますか。

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