気合だけの問題なのか

「気合が足りない」「やる気がない」など部下や子供に対して使ってしまうことってありませんか。
本当にそうでしょうか。

ある女性が、人が関わる仕事が苦手だと思っていて、営業職は希望しないで職場に入りました。彼女としては、「これで人とかかわらないで良い仕事に就けた」と思ったそうです。
ところが、社内での関わりはしていかないと、仕事が進みません。

「どうしましょう」と悩んでいる彼女ですが、その詳しい内容は私にはちゃんと伝わってきていて、そもそも人と関わるのが何故苦手と思ってしまったのかが、解らなくて聴きました。
「ちゃんと私には伝わっているよ。でも、苦手って、どう関わる事が苦手なの?」
彼女は、人と関わると、相手がドンドン静かになってしまう事が多いから、私のせいだ!と思っているとのことでした。
私「凄い観察力だよね。相手の事がそれだけ見えているって。でもそれってホント?」
彼女「はい。間違いないです。静かになっていくんです。」
私 「静かになってもらっちゃう何かをしているのかしら?」
彼女「そうですね・・・・。う~ん・・・・。」
悩んでそうなので、待ってみました。
すると待っている私に、
彼女「ほら、今も静かになっちゃいましたよね。」
私 「えっ?そう?」
彼女「はい。静かになりました。」
私 「じゃあ、私が思ってた事を言うね。うーんって言ってくれたから、考えているんだなあって待ってただけだよ。静かにしたつもりはないよ。」
彼女「えっ、待ってた?なんで待っていたんですか?」
私 「何かしているの?って私が聞いたら、うーん、って言ってたでしょ。考えていると思ったんだけど。
   えっ、違ったの?」
彼女「考えてました。でも、また沈黙になってると思ったら、ほらって思っちゃって、考えられなくなっちゃいました。」
私 「そっかあ。じゃあ、せっかくだから考えてみて。私黙って待ってる。それが嫌だったら、他の事しているから、考えたら声かけてくれてもいいよ。」
彼女「じゃあ、他の事しててくださいますか。」

というわけで、他の事をしながら待っていたら、2~3分だったと思います。おもったより早くてびっくりしましたが、声をかけてくれて、彼女なりのしちゃっていることを話してくれました。
それまでのやりとりを含めて、彼女が最後に話してくれたのは、
「私は沈黙が苦手だっただけで、関わることは平気みたいです。smilecoachさんともこれだけ話せましたし。なんかそれがわかったら、社内の関わりは大丈夫な気がしてきました。」と、声も大きくなっていました。

これを周りが「気合がたりない」「やる気がない」と判断してしまっていたら・・・。
本人も「私は人付き合いが苦手なんだ」と考え続けてしまっていたら・・・・。

彼女に関わったきっかけは、上司からお願いされたからです。「なんか元気がない。やる気があるのかないのか解らない」と。
本人の意思を確認してほしいとの事でしたが、彼女自身に「困っていることないですか」と聞いたら、でてきたのは「関わり方」についてでした。

決めつけるのは一瞬でできるけれど、気持ちの問題ではない時も多々あると思います。
気持ちを聴くことはできても、気持ちを変えることは周りからは出来ないと私は考えています。
だからこそ、その人が気持ちじゃない部分で、どういう事実をどう捉えているのか。
同じように、私達が相手の言動をどう捉えているのか。
について、知る機会は大切だと思いました。

私自身、最近「手抜きしているんじゃないの?」と言われた事があって、そんな事もまったくなく、かなりの時間をかけて準備して、その瞬間に向けてのシミュレーションも行なって、いつもと変わらず精一杯のつもりで居ました。
でも、そう見えたのが、ある一点?だったので、その点は私が気をつける事だと知りました。受け取る側がどう受け取るかですものね。
言ってくれた人には感謝もしていますが、言われた瞬間というのは衝撃を受けます。「そんな風に思っていたんだ。」と。
でも、そう見える「何か」をしていた事は事実です。
そして、私がその「何か」をするには意図があったのですが、それは伝えきれていません。衝撃が大きかったので、売り言葉に買い言葉的に一つ言葉を発したら、相手が反応してしまったので、言うのを止めました。
まずは、「手抜き」と思われた行為があったことは事実だし、そう思わせてしまったのも本当の事です。

悔しいですが、気持ちの問題ではないんです。意図があるんです、それぞれに。
それを誤解したまま居るよりは、お互いに伝え合う事は大切なのでしょうね。そして、変えられる事だったら変える。変えないとしたら、ちゃんと意図を説明する事は必要なのでしょうね。
自分は意図を説明できてないです。そして、同じように思う人が居るはず、と言われたので、そのような事のないように私自身も変えていく必要はあると思いました。

気持ちの問題で割り切らないで、ちゃんと事実を扱う事は大切ではないでしょうか。
信頼関係があるのかどうかによっても違うと思うので、簡単ではないのかもしれませんが、まずは事実について話す機会は持ちたいものですね。

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