人前で緊張しないのは

昨日、お恥ずかしながら講演をさせていただき、好評を得られたのは有難いことでした。
それ故に、質問コーナーで質問に表面的にしか答えられなくて、心残りもあり、その時に出た質問について、今日からの数日は私なりの考えを伝えられたらと思います。

「講演をありがとうございました。そもそも、話し方が凄いなと思いました。緊張してパニックになってしまっていた過去の状態から、そのように話せるようになったのは何かポイントがありますか。

私の場合は、本当に以前は緊張しやすくて、眼鏡をかけていた頃には、人前で発表するとなると眼鏡が曇ってしまって、一段と発言できなくなるという事が多かったです。
そんな私が、多くの人の前で話せるようになったのは、3つのポイントがあるかもしれません。

一つ目
少人数の前から話すという練習をして、徐々に多くの前で話すようになるトレーニングをしたから。
これは時間がかかりますが、とにかく練習を積み重ねていくしかないなと思いました。最初は1対1。これは平気なんです。次に、数人の会議で発言する。これも徐々に言えるようになってきました。こうして徐々に人数が増えた所で練習をしていく事が一つでした。
でも、10人位の前で話すときに思ったのは、二つ目のポイントになります。

二つ目
10人いても、その瞬間瞬間に目が合う人と話をすると、意外に大勢に話して居るように感じないんだなという発見がありました。
ですから、10人に話すのではなく、その瞬間瞬間で、その中の一人と会話するように話していくと、安心して話せる事が解りました。
でも、原稿があるとなると急にしどろもどろになります。これが3つ目のポイントに繋がります。

三つ目
原稿があると、準備したもののはずなのに、「上手にしなくちゃ」と思ってしまうのです。
それがプレッシャーになったりします。
だから、事前準備を怠らないようにしました。
原稿を一字一句書く。書いたら読む。録音して聞いてみる。おかしいところを直す。同時に、「あれ?これってどういう事だろう?もしかしたら聞かれるかも。」と思うところについては、調べたり、体験をまとめたりしながら、答えられる準備をします。
一つの原稿を作成するのに、今でも多分10倍以上の労力をかけています。
最初の頃は、20分の原稿を作成するのに、1か月、毎日読んで、調べて、どこから聞かれても答えられるようにするのが大変でした。
1か月かけて仕上げても、それでも心配で、一つ目のポイントのように、何人かに聞いてもらって、観てもらって、突込みどころや気になった点を指摘してもらう。その時のやりとりを糧に、「これだけ準備したんだから大丈夫」という内容への自信は持てるようにして人前に立つようにしました。

それでも緊張はします。
だって、一回きりで、評価が決まってしまうものであれば、緊張しない方がおかしいですよね。
でも、緊張が悪いと決めるから、余計に抑えようとしていたように思うのです。

例えば、スポーツでのトーナメント戦。勝てると思っていても緊張をする。その緊張は気合に変える。プレゼンや講演なども同じではないでしょうか。
1回きりなのですから、緊張するのは当たり前。でも、準備があって、伝え方が解っていたら、あとは自分の気持ちの在り方だけです。

原稿は書いても、一字一句同じように話そうとは思いません。
沢山練習をしてきたのだから、多少間違っても、伝えたい事が明確であれば、それで良し!
正しく伝えようとすることが大切なのではなく、伝えたいことが伝わる事の方が大切。だから、自分が評価されるのではなく、準備してきた内容が評価されるのですから、準備した分を出すだけですものね。

膨大な準備があるから、その場でできるのは、緊張を味方だと思い、準備してきた内容を伝えるだけです。
「正しく」よりも「キーワード」が届くかではないでしょうか。

こうした精神面でクリアできる当日の事と、事前準備や練習をしっかりやっておけば、あとは場数だと思います。
私の場合、何回やっても、緊張がなくなることはないです。けれども、おなかから声が出るようになってからは、緊張が声に出なくなりました。そのおかげで落ち着いているように見えているようですが、今でも緊張とはお友達です。

ただ、事前準備だけはしっかりやっています。当日にしかできないことは当日任せですが、それ以外は事前にやっておく事ではないかと思っています。「もしこういう質問がきたらどうしよう」「ここを突っ込まれたらどうしよう」というのは、事前準備不足です。

事前準備さえちゃんとしておけたら、あとは当日の緊張とは仲良くしたいものですよね。

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