長所短所は紙一重

先日、ずっと関わってきている若手社員の人たちの研修がありました。
その際に、長所と短所というのは、やはり紙一重なんだなあと思いました。その上で、いかにその特徴を「活かす」方向に持っていけるかかなあと思っていましたが、それだけでは違うのかもしれないと考えてさせられました。

3ヶ月に一度、成長を拝見しながら、関わっている人たちなのですが、新人の頃は基本に忠実で、挨拶もしっかりしていて若手社員らしいなと爽やかなイメージだったのですが、職場で揉まれて疲れてきているのでしょうか、それとも先輩方の影響なのでしょうか、返事なし、挨拶ほぼなし。シーンと静まり返る事が多くなっていました。

環境の影響かなあ、それとも今日の私の研修内容の影響かなあ。

私の関わりをまず疑いながら、色々試してみたけれど、一向に変化が見られない。休憩時間も仮眠する人や、スマホをさわる人が多く、疲れを感じました。
「疲れているの?」「元気なさそうだね」と声をかけると、一人ひとりに声掛けをすれば、笑顔で対応はしてくれます。が、やはりどこか疲れていそう。

研修が再開し、「気持ちはなかなか変わらないかもしれないけれど、行動は変えていけるよね。」と、お互いに挨拶を交わすことをまずお願いをしました。
すると、すぐにやり始めてくれて、雰囲気が改善したのです。

それならと、もう一つリクエストしました。
「グループの中で、それぞれ役割を持って、行動をしてください。」注意事項も含め伝えると、すぐにグループの雰囲気も変わり、グループだった人たちがチームとして機能し始めました。

言われるとすぐに変化できる素直さは、何度かお会いしていて感じる長所だったのですが、逆にとると、依存性が高いのではないか。言われた事だけやっているのではないか。いづれにしても主体性に欠けるように考えられました。

「これで良いのだろうか。」
そこで、自分達で考えて、自分達で動いてみるという時間を作ってみました。彼らはどうするのだろうか・・・・。

正直、根比べの気持ちでした。
けれども、「考える時間です。自分達で行動してみる時間です。」とお題が明確だと、自分達で考えて、すぐにできるのです。
ええ????結局これも、今は自由にやっていいですよ、と言われたらやれるって事?責任をもって行動できているじゃない。知らないうちに知恵を出し合って、リーダーを作って、やり方や流れを考えて、ちゃんとできるじゃない。

みんなに正直に伝え、聞いてみました。
「ねえ、これだけちゃんとやれる人たちが、今日の最初の頃は何だったの?まるで主体性がないように見えて、ショックだったんだけど。
 今は凄く主体性もあるように見えるし、生き生きとしてみえるんだけど、何が変わったの?」

最初は下を向いている人が多かったのに、その話の時は、みんなじっと私を見ていました。そして、数名が私の問いかけに答えてくれました。
「職場で先輩たちのようにできなくて、自信がなくなっていたので、自主的に動くのが怖かった。」
「みんなが目を合わせてくれないので、静かにしてなくちゃと思っていたけど、挨拶を始めてから、大丈夫だと気づいて話せるようになった。」
「一緒に研修を受けてきた一人が辞めてしまった。病気のせいとは言え、ショックで。一緒に頑張ろうって言ってたのに。またそういう人が居たら嫌だから。」

口々にいろんなことが聞こえてきて、色んな事が起こっているけれど、自らその環境を変えていける力があるのに、勿体無いなあと思って、そのまま私の感じたままを伝えました。

すると、皆さん元気になって、最後の感想でも、「自分からできることがあるのに、周りのせいにしていたかも。」と。
これもまた素直な方々が揃っているからこそ、私が誘導してしまっているのではないか、職場に戻ったら、また周りに流されてしまうのではないか、と心配になり、次回までにやることを全員発表してもらいました。

すると、皆さんから「私達の事を信じてくれたsmilecoachさんが居るので、今度お会いする時には、一皮むけた私達で居られるように頑張ります。」とまとめの言葉をいただきました。

素直だから言われたら聞く。素直だから信じてくれる人のために頑張れる。でも、素直だから周りにも流されやすい。
ほんと紙一重。
でも、「活かすばかりではなく、その特徴を本人達が認識した上で、活かそうとすること」が大切なんだなと思いました。

次回お会いする時を楽しみにしたいと思います。

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