良い点を出し過ぎない

できるできないと考えているよりも、動く人の方が、体験から学べると思います。
でも、すぐに動ける人には、一度考えてみようと言います。矛盾・・・・。

要は、個性を出しすぎると弱点にもなってしまうけれども、既に持っている個性だからこそ、無くさなくても、出しすぎなければいいのかなあと、思う事があります。

最近、既に身についている個性は、意識をしなければ出てしまうものなんだなあと、凄く素敵だなと思うことがありました。

それは、気遣いができる人でした。周りの事を常に考えて動いてくれて、周りは自分のことに集中できているようでした。

しかし、その人(以降はAさんとします)はというと、周りに気を使ってしまうので、自分のことが後回しになり、結局、時間内でお願いした事ができませんでした。
気を使われた側は、自分のことに集中しているので、気付かず、その人がチームの足を引っ張ったと言う目つきで見ますし、その人も「ごめんなさい」と謝るのです。

思わず、口を出してしまいました。
「Aさんは、みんなが集中しやすいように、紙を持ちに来てくれたり、皆に配ったり、電卓がほしそうにしている人に貸してあげたりしていましたね。それを聞いて、皆さんはどう思いますか。」

一瞬、シンとなりましたが、Aさんを厄介者扱いしていた人の目は下を向き、他の人も静かになりました。

するとAさんが、「私は癖で気になっちゃって、結局、自分がやらなくてはならないことが出来なかったので、私が悪いです。すみません。」と声を発しました。

他の人は、やっと「ありがとう」と伝えました。
それを聞いて、Aさんもホッとしたのか、「自分の事もちゃんと終わるようにするために考えるようにします。」と時間をおいて、言ってくれました。

良い点も知らずに出していると、出しすぎてしまうので、そのことが出来ていると知ることでコントロールできるようになるのかなと思いました。

次の日もその人達に会いました。
すると、Aさんと同じグループだった人が、朝一番に私の所にやってきて、こんな事を言いました。
「私は、Aさんの事を良く思ってしませんでした。でも、言われて知りました。今日は、私は良い悪いとか、好き嫌いで人を見ないようにしたいです。なので、もしも嫌そうな顔を私がしていたら、注意してください。」と。

私は凄いなと思ったので、「昨日の事からそんな事を考えていたんですね。凄いですね。でも、ごめんね。指摘される事を望むから、指摘しちゃいたくなるのだとしたら、私もあなたのモデルになれるようにしたいので、良い時に声をかけたいんだけど、それでもいいですか。」と伝えました。

その人も、照れくさそうに「はい」と言って、去って行きました。

Aさんも、その日の朝の人も、そのチームは特に、ちょっと「大丈夫かな」と心配していたのですが、明らかに良くなり、お互いに助け合いながら、自分の個性は出しつつも、セーブして、お互いが素敵な個性を出し合えるチームになっていました。

帰り際、チーム揃って挨拶に来てくれました。ありがとうございました。

彼らの二日間に立ち会えて、私自身も、彼らから学びました。
私も、本当は指摘をすることに慣れてきてしまっていなかっただろうか。見えるだけに、評価をしてしまっていなかっただろうか。ちゃんとセーブさせてくれたのは、彼らだったのではないだろうか、と。

そんな事を考えながら、自分の個性を知ることで、セーブもしながら、個性を良い点として発揮していけたらと思いました。
二日間、ありがとうございました。

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