粗にして野だが卑ではない

今年も毎日ではなくとも、平日は毎日のように続けて来られました。
これで、約10年になりますか。公開の日記も。手元の日記と違い、字に感情が見えないので、振り返ってみると、他人の書いたような文に見えることもあります。
けれども、その時を素直に表現しているなと、自分で感じる事もできます。
そんな折、タイミングなのでしょうね、元勤務先の亡くなられた社長の手書きの一文が出てきました。

「粗にして野だが卑ではない」(そにしてやだが ひではない)
と縦書きに書いた便箋。

城山三郎の小説『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯(ISBN 4167139189)』に描かれた、彼の半生記の中の大切な一文。
元国鉄(現JR)総裁の石田禮助が国会で国鉄総裁就任の挨拶をした時の言葉の一節が題ともなっている。

  石田礼助さんの国会答弁の議事録
  http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/043/0016/04305210016024c.html

自分は遠慮もなく、洗練されていないが、傲慢なわけではない。
確か、元社長は、そのように説明して下さったと思います。そして、社長なりの解釈をこうおっしゃいました。
「どんなに格好良い事を言っても、口だけの人よりも、どんなに雑に見えても、動く人に俺はなりたい。
 俺は、貧乏だったし、やんちゃもしてきた。
 でも、家族や社員のためだったら、頭は下げられる。

 どうしたら聞いてもらえるか、は、経営者にならないといけないと思ってきたから、経営者にもなった。

 でも、今は思う。
 『粗にして野だが卑ではない』
 お前みたいに、下でも言える事はあったんだなと。
 だから、俺は、お前の言う事は聞く。
 でも、それが自分のために言っているか、周りのために言っているかだけは、俺はしっかり観る。
 それが、俺がお前にしてやれることだ。以上!」

私が、社長に息子さんや社員の良い所をもっと見てほしい!と伝えた時に、発してくれた言葉と、言葉の意味が解らなくて書いていただいたメモでした。

今、私は誰のために動いているのだろうか。
年末に心の引き締まる思いがしました。
けれども、この日記は、紛れも無く私の飾らない本音が書かれたものだという積み重ねた事での自信にも繋がりました。

改めて・・
今、私は誰のために動いているのだろうか。
あなたは、今、何のために動いているのでしょうか。

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