とことん真似してみる

以前、日本電産の方とお会いした時に、こんな話をして下さいました。
その話を聞いて、自分がメンターだと思っている人達の真似をかいつまんでだけれども、とことんするようになりました。
この人との出逢いがあったからだと、今改めて思います。
考えてみたら、私はその人の考えをとことん真似しているのかもしれないですね。

「私は、永守重信さんの考え方が好きで、この会社に入った。
入ってみたら、自分にとって魅力的な方はいらっしゃるけれど、私はとにかく妥協もしないで、愚直に経営者の考えを理解したくて、行動で真似できることはとことんマネをしました。『自分流にアレンジ』と、直ぐに言う人が多いけれど、私は違うと思う。とにかく、とことん真似することで見えてくるものがある。その後でもアレンジは遅くない。

結局、私は、役職が上がるたびに、経営者の違った側面を知り、また真似してみて、違うと思ってもやってみると、なぜこうしているのかも考えるようになる。やっと50代後半になって、私は随分と真似が上手になった。でも、気づいてみたら、自分流に自然になっているように思う。それが、ただ自分の身についてしまったからなのか、それともアレンジというのかはわからない。でも、愚直に真似してきて、沢山の考えも学んだ。

私は、最初からアレンジしたら、見えるものも見えないと思う。だから、まずはとことん真似る事だと思う。それが守破離って言われるものなんじゃないですかね。

私なんて、とか、私だから、なんて自分を小さく評価しながら、ビッグな人に学ぼうと思うなら、ビッグな人と同じ行動を小さいことから真似すればいいと私は思うんですよ。
私は、あなたがメンターの真似をしているという話を聞いて、とことん真似して欲しいと思った。あなたなら出来ますよ。
なにせ私は、35年近くも一人の真似をしてきて、やっとですから。あなたはまだまだ先が長い。しかも、多くのメンターが居るんでしょ。妥協しないで真似して見てください。
私が言う事ではないが、何故かあなたには伝えたくなった。

私のしてきたことも解ってくれる気もしたが、話せて良かった。
最後まで熱心に聞いてくれてありがとう。
もしかしたら、もう会えないかもしれないけど、頑張ってね。

君なら大丈夫だから。
大きくなって、いつかメディアを通して拝見することを楽しみにしているよ。」

そう仰って、違う方に手招きされて離れてしまいました。
私は、メディアには出ようとも思ってませんが、そんな風に伝えて下さる方がいらっしゃるのは、嬉しかったです。

あれから5年。
私は、少しでも成長したのだろうか。
きっとあの方の35年の7分の1ですから、まだまだこれからなのでしょうね。
でも、今、あの方の仰っていた事が良く分かるようになりました。

「自分流」と言って、最初から自分流を作るのか、それとも「とことん真似してみているうちに自然に自己流になっていく」のかの違い。
「妥協せず」と仰っていましたが、最初から「自己流」にしようと思うと、発展も成長も少なかったんです。とことん真似してみようと思うと、できないことが沢山あって、その都度凹むけれど、真似しているうちにコツが見えてくる。その「コツ」が実は、自然に自己流になっているように思います。

5年経ち、あの方は取締役になられているだろうか。
それとも、他の人に貢献したいと仰っていたので、貢献する場を見つけて活き活きとされていらっしゃるのだろうか。
またお会いしてみたいな。「真似すること」を真似している私を見て、なんと仰るだろうか。

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