中間管理職の視点から経営者の影響力を観る

中小企業様を何件も拝見させていただいて、話をさせていただいて感じること。
それは、経営者次第で、企業が全く別のものを見始めるという事です。

ある企業様の例です。

中間管理職の皆さんにコーチングを提供させていただいています。
中小企業様なので、中間管理職の上は、同族のご家族経営者様達のみです。

そんな中間管理職の皆様とのなりたい姿像を共有し、コーチングをしているわけですが、経営者様のイライラが増していたり、細かい部分まで指摘されている時というのは、中間管理職の方々は、「経営者との関係作り」「上司が望む状態にいかにしていくか」などの話になります。
そして、経営者様は他の時にコーチングをさせていただいているので、その方の状態が落ち着き、ゆとりを持って接することができていると、中間管理職の視点は、お客様や部下の育成にいくのです。

一人だけではなく、全員が同じような状態なのです。
それだけ経営者の影響力は強力なのだと改めて感じさせていただいた事例です。

数ヶ月経って、経営者様が、「みんな(中間管理職の方々)が最近は、部下の事を良く見ていてくれるし、お客様にも気遣いができているんです。凄く安心していられます。」とおっしゃいました。
そのため、私は「コーチングの効果と感じていただけるのは嬉しいのですが、経営者の様子次第で、部下がどこを観るのかも違う事に気づきました。きっと、◯◯さん(経営者様)が、穏やかな表情をされていらっしゃるからなのではないでしょうか。」と申し上げました。

すると、その経営者様は、「小さな鏡でもおいてみてはどうかとsmilecoachさんに言われて、やってみようと思ってやってみたら、結構きつい顔になる事が多い事に気づいたんです。だからと言ってニコニコはできないけれど、眉を上下させて、ちょっと顔がこわばらないように注意をしました。そうすると、正直、その一瞬なんですが、気持ちが違う事を考えるからか、ひらめきも湧くんですよ。」と。

表情などを見ようとすることで、ちょっとしたブレイクになっていると伺って、そのことがみんなへの穏やかな表情になっていたなんて。
ちょっと、聞いていて、私も経営者様から教えていただいた気持ちになり、「ちょっと違うことを考えるだけでも違う」という事を知りました。

そう考えると、そんな小さな変化さえ、部下は見ているという事ですよね。

そして、その小さな変化が、誰に視線を向けるかさえ変えてしまうんだという事ですよね。
実際に、その経営者様の変化から、中間管理職を始めとした部下の変化が起こり始め、クレームゼロ、ミスの激減、お客様の口コミアップが結果として出始めているのです。

全てが全て、経営者様の影響ではないかもしれませんが、この企業様は世代交代したばかりで、ずっとトップダウンの企業でした。それを変えたくて、経営者様にお願いをされてコーチングを始めました。

けれども、元々トップダウンだったからこそ、まずは「言える環境作り」と経営者様と考えていたのですが、それより前に、上司ではなく、お客様や部下、チームに目が行くように視点の変化を起こさせる事からなのかなと実感させられました。

視点が「お客様」「部下」「仲間」に目がいきはじめ、今まで気づかなかった点に対し、どうしようかと考えて自分達でできることから始まっている中間管理職の方々が、この体験を通し、更にお互いに提案できる環境に入りたくなってきたようです。
これから「言える環境」が自然に作られているのかもしれません。
これからも、みなさんの変化を見守れたらと思います。

あなたの部下は、誰を見ていますか。

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