良いものに沢山触れる

一昨日の土曜日に、コーチングのレベルアップトレーニングに参加しました。
その時に、見本となるコーチングをみんなで検証するような事もしました。やはりレベルが高いものに触れるというのは大切な事だと感じました。

実際には、相手に対してどんな効果があるのか、何を考え、どう今後に繋がっていくのか、が、全てなのでしょうけれども、どんな関わりがあるとそうなるのかを分析をして、いろんな視点からお話しをしてみると、凄く勉強になりました。

そのことを身体でも感じながら参加していたのですが、ふと昔のことを思い出しました。

書道です。

以前は、お手本に対して、どれだけ似せて書けるかという所からのスタートでしたし、常に上位者のお手本を見ながら、真似てみる事をし続けていました。
が、先生から、「日展を観に行ってみるといいよ」と言われ、開催時期には観に行くようになりました。

「凄い!」と思う作品に感動するばかり。
でも、今でも忘れないのが、点3つと落款と名前だけという書・・・。
何を表現したいんだろう?
なぜ、これが数多くの中で素晴らしいと言われる作品に選ばれているんだろう。

私には、頭の中にクエスチョンだらけ。

一人で行っていたので、ずっとその作品の前で近づいてみたり、遠くから観てみたりしながら、「どうして?」を探求中の私。
それが気になったのか、たまたま観ながらその作品を通過する所だったのか、作務衣を着て、自分のお弟子さんらしき方に解説していた方が、少し大きめの声で、この作品について、語られていました。

「この作品は、解りづらいだろうねえ。でも、バランスが素晴らしい。
 書というのは、ただ字を書くことだけではなく、余白の白と、墨の黒のバランスというのも大切なんだよ。
 しかも、これだけの一画を書けるかい?

 自分が書いた事を想像してごらん。

 落款の位置、名前の位置もそうだし、この一画をどこに、どう描くのかで、全く作品としての価値が変わるんだよ。」

他の人への解説ながら、耳を思いっきり傾けながら聞き入ってしまいました。

もう一度見てみると、なるほど!
自分は余白なども気にした事がなかったので、その作品の素晴らしさは当時の私には解らなかったけれど、違う視点から初めて「字」が「作品」に見えた瞬間でした。

教えて下さった先生に報告すると、「あれは正直、僕にも解らなかった。でも、いい刺激を受けたようだね。」と。

そうなると、字を書いていても、余白や字の太さなども考えるようになってきました。
お手本がなぜ、この太さなのかも大きさなのかも、考えるようになると、すごく面白く感じるようになりました。

苦手だった上司も、なぜかやたら皆から相談される。

みんなはどこを見ているんだろう?
上司が何をしているから、相談があるんだろう?

苦手かどうかではなく、みんなの視点で見てみると、沢山声をかけていることに気づきました。
ああ、この方は暇そうに見えていたけれど、心のゆとりを持っているんだなあと、感じた事もありました。

何が良いものであるかは、基準は違えど、その作品や人が選ばれているのはどうしてなのか。
他の人がどこを素晴らしいと見ているのか。
それを考えていくだけでも、学びになり、自分の視点を広げる事に繋がる事を知り、続けている事に気づくこともできました。

コーチングもまだまだ学ぶことだらけです。
一生、学び続け、誰かのために使ってみては、修正を繰り返す日々なのだろうと思います。
それが、自分の中だけにとどまらないように、常に広い視野を持ち続けるためにも、これからも良いものには触れ続けていきたいと思います。

一昨日は、気持ちも原点に戻った大切な日になりました。

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