我慢するよりその時話す

職場で難しいなと感じてしまうのは、「上司に対してどこまで言ってもいいのか」「部下に対して、どのように言ったらいいのか」などの「加減」「基準」が見えないことではないでしょうか。

かなり前になりますが、私の部下が年上だったので、マナーに関しておかしくても「それは私が言わなくても気づくまで待とう」「そこまで言わなくてもいいよね」など、「年上を立てる」という事が当たり前だった私にとって、非常にもどかしい事でした。
けれど、結局はお客様の満足度を追求するはずの企業の中で、お客様に失礼な事を指摘しないのは上司としておかしいと思い、指摘をしました。

ところが、年上としてのプライドだったのか、「そこまで気にする必要はないでしょ!だったら、あなたがやればいいじゃない。」という暗黙の抵抗だったのでしょうか、その指示以来、お客様へのお茶出しなどをしようとしなくなりました。

「すみませんが、手が離せないのでお願いできますか。」というと、嫌そうな顔をしながら、炊事場に向かい、接客をしてくれました。
「ありがとうございます。」とお礼を言っても、無視。

「ああ、言わなきゃ良かったあ。それとも、違う言い方があったのだろうか。ああ、でも時既に遅し!」と自分の関わりを反省しながら、今まで以上に指示の時に言葉を選んで話すようになりました。

でも、彼女はその部分にイライラしたり、反抗したかったわけではなく、「もっと普段の会話を楽しみながら、仕事がしたいのに、頼む時だけ頼んで、言いたいことだけ言って。何よ!」と思っていたようです。(辞められてから、他の方に言っていらした事を知りました。)

お互いに違和感を抱えながらなので、彼女の意図に反して、私は更に話しづらくなり、日常会話もするにはするけど、当たり障りのない話しかしなくなりました。

結果として、彼女は「仕事がつまらない」と楽しく会話を出来る人達と仲良くし、私との関係を良くしようとはしないで、内部で揉め事を起こし、辞めていってしまいました。

もしも、あの時に、違和感を感じているのが判れば、避けてばかりいないで、話をするべきでした。
その後、どうなるかは解りませんが、少なくとも、彼女の言い分を聞けたかもしれないし、もう少し前向きにコミュニケーションをとれたのかもしれません。

私は、そのことを学んでから、「今話したほうが良い事は今話す」という事を心がけるようになりました。性格は変わらないので、相手の様子を見ながら言葉は選んでしまうのですが、今逃げたら、お互いに我慢して、我慢した分、どこかで大きな爆発を起こす事になることを身をもって学んだので、「事が小さいうちに話す」ようにしました。

相手からも、「何か気になったら、何でもいいから言ってね」とお願いもするようにしました。
「今日は、期限悪いんですか。何かありましたか?」と言われる事もあり、体調が悪いと機嫌が悪そうに見えるんだという事を知りました。だから、体調が悪い時には、「ごめん、今日は体調が悪いから、不機嫌に見えるかも。でも大丈夫だからね。」などと言うようにしました。

私も、この事は直して欲しいと思うことは、理由を付け加えながら話すようになりました。しかも褒め言葉と一緒に。
相手に一番受け取ってもらいやすい言い方を模索したのは、「さっきのは結構きつかったです」など言ってくれたので、模索しやすくなったという関係性もありました。

お互いに「違う」からこそ、100%ストレスがなくなることはないにしても、特に仕事の場合には、我慢ばかりではお互いの関係性も、改善体質も、生まれづらくなるんだということを体験から感じる事ができました。

今、いろんなところで、人を傷つけてしまうようなニュースを目にする度に、もっと早く、小さな事に見えるうちに、話しあえていたらなあと思ってしまいます。まあ、話し合う事で更にエスカレートしてしまうこともあるのかもしれませんので、臨機応変とは言え、双方が我慢しあっている状態というのは、不健全なのではないかと感じてしまいました。

仕事でもプライベートでも、些細な事に見えるうちに、言葉を交わしておきたいものですね。

あなたは、かなり我慢してしまっている事ってありませんか。
それは、我慢すること以外に、どんな解決方法があるのでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました