リーダーほど感情を抑えこまない

リーダーになると、心広く、感情を表に出さず!と思っていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。
正直、色々と経験を積むから、大したことには動じなくなるという意味では、素敵だなと思います。
が、感情を抑えこむのとは少し違う気がしています。

あるリーダーAさんが、「いっつも部下が僕の顔色を伺うんだよ。だから、極力話さないようにしているんだ。」と。
本当は、どんな話しがしたいのか、どう思っているのかなどを伺っていると、どうもイライラしていることが多いらしいです。けれども、そこで怒ってもいけないと、我慢をしているとのことでした。

では、イライラしていない時にはどうされているのか。
すると、「ニコニコするタイプでもないから、じっと観察したりしますが、話しかけないほうが良いだろうと思って、いつも通りに話しませんよ。」

Aさんが、怖いと思う方って上司の中にいらっしゃいますか。と聞くと、「別に居ないよ。でも、ずっと何考えてるか解らない威圧感を持っている人には、何か僕悪いことしましたか。と聞いたりはしますね。」

そう答えると、思いついたように、「部下も僕に聞けばいいのにねえ。あっ、でも聞けねえのか。」と。
なぜ聞けないと思ったのかを伺うと、「イライラしていることが多いのに、話さないから、地雷抱えているようなもんだよね。」と。

イライラしているのを出すのが全部OKじゃないにしても、言わなくちゃならないことも仰ってないんじゃないですか。と、ちょっと思惑もありながら、聞いてみると、「そうなんだよ。けど、今までの分も全部言っちゃいそうで、僕自身も怖いんだよね。」と。

話を進めているうちに、「感情は多少出てしまっても、言わなければならないことまで我慢しているから溜まるんだから、言ってみるよ。感情しか伝わらないなら、イライラしていない時に補足すればいいし。イライラしていない時に、話しかけてあげれば違ってくるのかもなあ。」と。

感情を出すことを悪者にしすぎているせいで、苦しんでいらっしゃったんでしょうね。
間の色んな話も感情を出して話して下さったので、部下の気持ちも少し解る。でも、それ以上に「部下を一人前に育てたい」という思いが強い方のように感じました。そんな本気になってくれる上司がいたら有難いのに、今は感情だけが伝わってしまっているとしたら、もったいないことですよね。

これから、Aさんが、部下との対話の中で、良い方の感情まで抑えていらっしゃったので、その部分も出しながら、部下への愛情が伝わっていくといいなと思いました。そうすれば、時に厳しくても、「私のために言ってくれている」と受け取ってくれるようになるのでしょうね。楽しみです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました