ある一言の積み重ねが部下を主体的にしていく

上司になると、結果を出していくためには、「まあいいか」で済まされない事がたくさんあります。
納期のある仕事であれば、「できない」と言われても、「どうしたらできるの?」「何があればできるの?」と、考えて実行してもらうしかない時もあります。
そんな時に、部下が、「ただただやらされている」という段階から抜け出す言葉があると私は信じています。

それは、話の最後に、「私に手伝えることはある?」と聞くことです。

多くの場合、「大丈夫です」とか「ないです」と言われる事が多いのですが、「◯◯だけ手伝ってくれますか」と言われたら、自分の仕事がどれだけ溜まって居ようが、部下に声をかけたのは私だから、最優先します。すぐが無理なら、「◯◯時には始められるけど、それでもいい?」と確認をします。
そして、精一杯手伝います。
私には部分的に手伝うことしか出来ないのですから・・・。

すると、「もういいですよ。あとは何とかします」と、がんばってくださいます。

この一言が無かった頃には、間に合った時に感謝の言葉も伝えていたのですが、「はいはい、納期に間に合いましたよ。あなたは言うだけで良いですね。」と言わんがばかりの態度でした。
しかし、「何か手伝える事はある?」と伝えるようになってからは、最後の感謝の言葉も素直に受け取ってもらえるようになりました。

後から、何が違うのかを自分が言われた気になって考えてみました。
「私に何か手伝えることある?」
というのは、凄く親切な言葉に聞こえますが、実は相手にとって、「あなた達が主導ですよ。私はここから先は手伝う立場です。」と言っているも同じで、結構権限移譲をしている言葉になるんだなと感じました。

結果的に、部下なりに私(上司)の使い方を考えるようになりました。
納期を伝えた時も、「納期が16時は厳しいです。17時にするか、◯◯だけ明日にしてもらうなど、調整ができないですか。」など、得意先との調整を提案してくれることもできるようになってきました。
その調整が上手くいけば、「私ができることはやったから、後はお願いね。」という事です。結構冷たい上司だったのかもしれません。(苦笑)

全ての事を権限移譲できることというのは、業務をしていると少ないです。
けれども、部分的にでも、「何か手伝えることある?」と、「あなたが主導ですよ。」というメッセージを込めてしまっていたかもしれない言葉が、権限移譲範囲となり、責任を持って、考えてやってくれるようになりました。

ちょっとした言葉が、部下の変化を促していけるのかもと、改めて感じました。

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