言い換えした時ほど、意味がある

時折、言葉をわざわざ言い換える事はありませんか。
結構、その言い換えた言葉と言い換える前の言葉のギャップが、本人にとっては大きな違いだったりすることがあります。コーチングでも、その点について、確認することもあります。

単なる言い間違えの場合もあるのでしょうが、敢えて言い換える時には、その人の言葉の捉え方に差があるから言い換えるんですよね。その点について、確認をすると、本来の意味以上に、その人の物事の捉え方が見える事があります。

先日の、女性向け研修の時でした。
「主人はいろいろ手伝ってくれるんです。ほんと有難い。と言うより、共働きですから、当たり前なのかもしれませんけどね。」と、仰っている方に、「敢えて言い換えたのは、何か意味があるんですか。」と聞いてみました。
最初は、「いいえ、そんな大きな意味はないですよ。」と仰っていましたので、それで終わったかに見えました。

しかし、その後、2回目の休憩が2時間半位後にあったのですが、さっと近寄っていらして、「先程の、ご質問ですが、気になってずっと考えていました。が、以前、有難いと思いすぎて、主人はこんなにしてくれるから、私はもっと頑張らないと。と思いすぎて、仕事も家庭も主人に負荷がかからないようにと思っていたら、倒れちゃいました。主人には、仕事をやめたら?と言われたんです。でも、凄くいい職場なので、辞めたくなくて、手伝ってくれる主人に甘える時には、対等なんだ!と思うことにしました。」とお話し下さいました。

「お話しを伺っていると、家庭の事は女性の仕事だ!と決めていらしたのを、共働きなら、そうとは限らない!と、切り替えられている途中なのですね。」と聞こえた事を、言葉を変えて伝えてみますと、「そうそう!途中なんです。まだ、すぐに思えなくて、有難い!ってすぐに思っちゃうんです。」とおっしゃいました。

私 「そもそも、感謝をしてはいけないのですか?」
相手「いや、感謝はしたいんですけれどねー」
私 「ご主人は、どう思っていらっしゃるのでしょうか。」
相手「聞いたことはないです。多分、お家のことをしっかりやって欲しいと思っていると思いますが。」
私 「そうなのですね。たぶん、なのですね。」
相手「聞いてみて、辞めてと言われるのが怖くて、聞いてないです。あら?辞めてほしいなら、手伝ったりしませんよね。あら?」
私 「あら?」
相手「ほんと、あら?ですね。聞いみようかしら。きっと、主人ももう思っていると思うから、両方頑張ろうと思っちゃうけど、あら?違うかもしれないのかしら。あら?」

なんども何度も、あら?と繰り返しながら、休憩は終わり、帰り際には、もうご主人にメールして、返事があったようでした。
「smilecoachさん、ビックリです。主人は、頑張っている私をただ手伝いたいって思っていてくれました。仕事に関しては、やりたいことが見つかって良かったねって。なんか、メールで話したんですけど、今日帰ったら、すぐに有り難うって伝えたいです。急いで帰ります。」と、嬉しそうに話して下さいました。

ちょっとした言葉の言い換えが、その人にとって、大きな心の障害になっていたんですね。
その様子を聞いて、嬉しくもあり、関わる私達が見逃してはいけないことなんだなと、感じました。

コーチングでは、色んな視点を見ていても、その人の考えや価値観に触れる事まで行くと、その人の行動だけでなく、軽やかに動くことのできるきっかけになると私は考えています。
そうなると、その価値観や考え方を知るきっかけになる視点を少しでも増やしていきたいですよね。

こんな言い換えも、一つの視点になると思いますので、あなたにもお裾分け。。。

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