仕事って楽しんじゃいけないの?

ある経営者が、「仕事は苦しいもの。社員の時には楽しいことを見つけて働けば良いが、経営者が『楽しい』と思うなら、辞めてしまえ」とおっしゃいました。
結構、明確な考え方のある経営者だなと感じたのと、ついていく社員は、ブレない社長についていける安心感も感じながら、力を発揮していらっしゃるのであろうと想像しました。
が、仕事って楽しんではいけないの?と言う問いが私に浮かびました。

私は、辛さや苦しみが短期的にあったとしても、その先に近づけている感覚があると、その辛さや苦しみも楽しく、頼もしく思えます。
矛盾しているように見えますが、短期的な苦しみは長期的な苦しみではないと考えています。
これは単に考え方の差なのでしょうが、「楽しむこと」を否定することはないのではないかと思いました。

私が昔から好きなスポーツ選手で、バレーボール選手の越川優さんがいらっしゃいます。
その選手が、「練習は98%辛い。でも、残り2%の喜びのために日々の練習を積み重ねていくんです。その2%の喜びのための98%は必要なもの」というような発言をされていました。
この言葉を聞いて、元々凄い選手だなと思っていたのに、更に応援し続けたい選手、となり、私の「苦しさを楽しむ」という発想の原点につながりました。

以前の職場のI社長も、「経営者はあまのじゃくだ。上手く行っている時には、悪くなった時にどうしようかと心配をし、上手くいっていない時には、どう回復させようか、良くなった時にはどう手を打つかなど、現在の状況とは逆の事を発想し、心配もし、逆が起こっても大丈夫なような策を考える。胃潰瘍は経営者の職業病なんだ。」と良く仰っていました。

「それでも経営を辞めないのは何故ですか。」と聞いた時、「社員と社員の家族を守る責任が生まれた。一人じゃないからな。」「それと、やっぱり好きだからだろ。それ以上の答えはないよ。目先の辛さしか見えないような経営者は、先の事に手を打てないんだから辞めちまえ。」と。

経営をする方々と言うのは、拘りや持論など、みんなに示しているものとは違う、その人の軸というものがあるんだと、その時に感じました。

今回、「辞めちまえ」という言葉で、ふと思い出したもう一人の経営者の声と、越川さんの言葉。
そして、自分が「苦しさを楽しむ」と思えるようになった原点を思い出し、今、そこまで自分に「苦しさを楽しむほどの環境があるのだろうか」と考えると、そうではない気がします。

仕事は「楽しい!」と手を広げて楽しめるものばかりではないけれど、せっかく限られた時間を投資するのであれば、「辛い、苦しい」ばかりの仕事にはしたくないですよね。
そのためには、「挑戦」をし、自分に多少負荷をかけてみて、その後の喜びを感じられるように、ワクワクしながら乗り越えていきたいなと思いました。

私も今年は変革の年。
苦しさを楽しめる年にしていきたいと思います。
父やI社長、そして今支えてくれている周りの人達への感謝も込めて。

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