忙しい事を理由にしない

忙しすぎるから大変。
忙しすぎるから仕事がつまらない。
忙しすぎるからイライラする。
ほんとに、これは「忙しすぎる」事が原因なんでしょうか。

私は忙しい方が、ワクワクします。なので、感覚が違うのかもしれないので、この話題にはあまり触れようとは思っていませんでしたが、触れてもいいんだなと思う出来事がありました。

ある外資の大手企業様に伺わせていただきました。
中間管理職のチェンジマネジメントのための会議運営を請け負った方のサポートで入らせていただき、6名のグループの会議運営を任されました。
たまたま私のグループには、他社からの転職をされた方、プロパーの方、そしてなぜか取締役でもあられる方が居らっしゃるグループで、私はビックリでしたが、少人数だけに凄く色んな意味での多様なメンバーが揃っていました。

その中で、「忙しすぎて、部下を見るゆとりもなければ、マネジメントをする心のゆとりもないよ」と仰る方がいらっしゃって、そこから議論をすることになりました。
あまり具体的な部分は守秘義務があるのでお話しできないのですが、個人の成果も問われ、チームとしての成果も自分の責任とみなされる事もあり、非常に緊張感漂う一瞬もありましたが、その発想をガラッと変えた一言がありました。

少しおとなし目の20代後半でチームリーダーを任されている人がこんな事をおっしゃいました。
「皆さんのお話しを聴いていて、僕には解らないことがあります。
 僕は確かに皆さんと同じように忙しいですし、いきなりリーダーになって、業務量は増えているのに、リーダーとしての仕事も追加されています。忙しいの度を超えていると感じる事もあります。
 けれども、凄く仕事が楽しいんです。
 本社(海外)は、命令する割にはルールを守らず、日本支社がこんなにまじめに対応している事に気づいておらず、成果を求めてくるので、腹が立つ時期もありましたが、今は忙しいのに、すごく楽しいんです。
 楽しいと思うせいか、集中力も増しますし、その中で部下に頼む仕事と自分ですべき仕事を見極められるようにもなり、いっぱいいっぱいですが、成長を感じれるので、更に楽しくなって・・・。
 皆さんは、忙しすぎる事を色んな事が起こっている理由にされていますが、僕にはそれが原因に思えないんです。
 だから、教えてください。本当の原因は何ですか。」

一瞬、シーンとなりました。
私には考えている時間のように感じたので、放っておきました。

すろと、取締役が口を開きました。
「●●さんが言うように、私もいきなり大役をいただき、勉強しなければならないことも多いし、みんなに助けてもらうことも沢山あるけれど、楽しいよ。」
強いて言えば、日本で取締役を仰せつかったのが私が初めてだから、どう振る舞えばいいのかイメージが湧いてないかな。だから、どうしても振り回されている感を感じているのかもね。」

取締役の言葉をきっかけに、ドンドンと本当の理由が見えてきました。
・やり方が解らない。
・どこに進むのか解らない。
・部下に仕事を任せられない。
・上司が言う事がコロコロ変わるから振り回されている。
など・・・。

忙しくなっている理由とも言うものが出てきたら、そのために何ができるのかも変わってきました。
結局、「忙しすぎるから」という理由を言う人は一人も居なくなってしまったのです。

会議運営をしている私は、首を傾げていた若いリーダーに最初に「何か言いたそうですが、何か言いたいことはありますか。」と確認しただけでした。
その先は、私自身も学ばせて頂いた気がします。

結局、自分が忙しすぎるから、対話は大切にしていても、ついつい結果を急いでしまっていたと思っていたマネジャーやチームリーダーは、「まずは自分のやれることをしながら、時間は作れるし、忙しい事は理由にならないんだね。」
と仰っていました。

私の知る限りではありますが、どこの企業でも忙しいことを理由にされている方はいらっしゃいます。
何かお役にたてたらと思い、具体的な内容は書けませんでしたが、自分が印象として残った事をシェアさせていただきます。

あなたは、忙しさを理由にしていませんか。

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