相手の話を聴く

タクシーの運転手さんって、ほんと色んな方がいらっしゃいますよね。以前も違う方のお話をしましたが、また凄い方に出会ってしまいました。
それは、営業職の方のマネジメントの難しさを伺いました。

送迎のために企業側が用意してくださったタクシーにのった時ですが、非常に面白いタクシーの運転手さんでした。

何だか話しやすい雰囲気を持っていらっしゃる方で、ドンドン、色々話させられちゃいました。
途中で、その方に興味が湧いて、前の職のお話を聴いていたら、なんと有名な企業のトップセールスの方で、3年目には、部下を持たされていた方でした。最初は、「3年目から部下が急に増えまして、9名のチームとして業績を出すという事の大変さをいきなり感じていました。」とのこと。

有名な会社で、3年目で部下がいきなり9名?「もしかして、営業成績が良かったとか?」と伺うと、「まあ、それほどでもないですが、一応、会社の中で表彰をされていましたけどね。」との事。

「そんな方がなぜタクシーの運転手に転職を?」と伺うと、企業がM&Aで外資系となり、前の会社の好きだった理念ではなくなってしまったこと。営業をしたいのに、マネジャー職専門でしなさいと言われてしまったこと。実家の親が倒れられた事。などが、重なり、実家に戻ろうと決意したそうです。
その後も、人と接するのが好きなので、もっと個々に話しが出来て、ずっと人と接し続けられる職が良いと思い、ふと「タクシーの運転手」が浮かんだそうです。

結局、タクシーの運転手をされているのですが、営業で培った、人に話をさせ上手で、聞き上手が講じて、ご指名などもいただき、タクシーの運転手さんとしても業績をあげていらっしゃるのだとか。

あなたはどんな特徴があって、営業成績が良かったのでしょうか。
伺ってみたら、「マネジャーを少し経験した時もそうでしたが、いかに相手に興味を持って話を聞くかだけでしょうね。私の場合は、嗅覚と言いますか、相手が何を望んでいるのかを見極めて、自分の営業している商品と結びつける事に長けていたと思います。だから、お客様にどうしても欲しいと思ってもらえる事ができました。部下も無理やりさせられるではなく、成長したいと思ってくれるようになったんだと思います。それを敢えて言葉にするとしたら、相手の話を引き出すのが得意だったのかなと思いますよ。相手が得意そうな事を話させてあげて、その後にニーズをつなげて聞き出すと思わずポロリとかね。」

そうやって、楽しそうに語られながらも、すぐに私の話に戻られるんです。まさに引き出されてしまう気分でした。
聞いて下さる方がいらっしゃるのは、本当に有り難いですね。

対面のコーチングだと、相手の目をみて話すと云いますが、明らかにタクシーは目が合いません。同じ方向に向かっては居ますが、話しかけて下さる方は前に居て、斜め後ろから話しかけているわけです。
普通なら、不安にもなりそうだけれど、本当に話させられている感もなく、自然に楽しくお話させていただきました。

声からも「興味あります」「聞きたいです」という様子が伝わります。しかも、問いかけが私が話せる話を振って下さるんですよね。これが、嗅覚と仰っていた部分なのかもしれませんが、さすがだなと感じました。

私もまだ、相手が心地良く話せているのかどうかと言うと、インタビュアーのようになってしまっている時もあると思います。
その運転手さんから、色んな事を学んだ気がしました。

特に、聴く時の声や態度も伝わるんだなという事も、聞いてもらう側として体験できたのは、貴重な体験でした。

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