声掛けの仕方で反応が変わる

子供の声掛けもそうですが、大人も声掛けの仕方一つで、反応がこんなに変わるんだなあと改めて思うことが有りました。

あなたは、誰かを認める時にどんな言葉をかけていますか。或いは、どんな振る舞いをしていますか。

私は、以前は「褒める事が大切」と思い込んでいました。
けれど、大人であれば、それぞれが多くの体験から学んだことがあり、それぞれが大切にしている価値観があります。
なので、「◯◯さんって、☓☓って考えられるその発想って凄いですね。」と、さり気なく言ったつもりが、その方を怒らせてしまいました。

「あんたになんか言われたくない!」と去り際に吐き捨てられました。
ああ、その人との関係性もあるだろうし、そもそも私がどんな立場として言った言葉なんだろうと思うと、申し訳なくも思いました。

別の日に、ある経営者とお話する機会があり、「社員さんの事を本当に親身に考えていらっしゃるんですね」と感想をお伝えしたところ、「こんなの当たり前過ぎて、何でそこを言い直されたかが解らない。」と言われたので、「◯◯社長には当たり前でも、それが当たり前に考えられない人も沢山いらっしゃると私は思ったので、素直に言葉に出てしまいました。」と伝えました。

すると、「そうなんだあ。意外だなあ。当たり前の事で、先代(お父様)が良く言っていたから、そう考えるのが普通だと思って育ったけれど、そうかあ、親の考えを受け継いだだけで、他の人は違うのかもなあ。ああ、そうすれば、どうして社員達が、☓☓というような事を言うのかも解る気がしてくるよ。なるほどなあ。」と。自分の考えを当たり前の視点で見ていたところから、すっと他の人達を別の視点から見ることができていました。

次にその経営者のお話を伺いに行った時には、社員の一人が、「smilecoachさん、smilecoachさん、前回、何を話したんですか。社長が気持ち悪い位、怒らなくなったんですよー。何を言ったんですか。」と。「何もしていませんよ。社長がご自身で何か変えられたのですかね。」とお話をした後に、経営者とお話をしました。

「smilecoachさん、あれから当たり前じゃないと思ったら、何だかイライラすることが減ってね。私自身の性格が変わっちゃったのかと思う位ですよ。おかげで、体調までいいんですよ。」と、最初に嬉しそうに話されました。社員の一人の話しもしたら、「そうかあ、やっぱり伝わるんだなあ。社員がすごく不思議がっているだろうと思ったけど、でもやっぱり、当たり前に会社の事を考えてくれる人が出てきて欲しいと言う思いが変わっているわけじゃないんだ。ちょっと当たり前じゃないと解って、冷静になれているというか、どうやって浸透していこうかと、考えるようにはなったよ。」

その後も、30分以上、相槌をしながら、ずっとこれまでの変化について話しを聞きながら、どうしていこうかなあまでを、ずっと聞いていました。
「あれ?さっきまでの嬉しそうなのに、ちょっと声が低かったのが、明るくなりましたね。」と30分位した時に伝えると、「話しているうちに、ちょっと試したい事がでてきてね。ずっと聞いてくれてありがとうね。早く終わってもいいかい?」と。

いつもは、30分愚痴、その後30分がコーチング的会話だったものが、今回は、30分話して、終了になりました。
その間に、私は相槌をし、「それで?」と聞いただけ。声掛けらしい声掛けはしていないのに、その経営者は「ありがと」とおっしゃって、席を立ち上がられました。

私の関わりについて、感想を伺うと、「今日は、黙って聞いてくれた事ですごく助かったよ。本当に沢山考えられた。今までは今まで、黙って最初の愚痴を聞いてくれたのもありがたかった。けど、声をかけたり、質問をしてもらうためにコーチを依頼するばかりじゃないんだね。今日は、前回のおかげで、私も性格が変わったようで、愚痴もなくなった。(笑)だから、先の話しをじっくり考えるために聞いてくれたのは、相槌のおかげだよ。たまに、要点もまとめてくれるから、より考えやすかった。声掛けって、本当に多くの種類があるんだろうな。私も君から学んだ事は多いよ。実践していくから、また次回を楽しみにしているよ。今は、ちょっと現場に早く行きたい気分だから、ごめん。今日はこれで終了って事で。ありがとね。また頼むよ。」と。

私自身も、その場その場で、聴き方や接し方は変えているつもりだけれど、その聴き方や接し方について、「声掛けの仕方」という言葉で表現されたことで、自分の役割について、改めて認識をさせられました。

その後、「声をどうかけているのか」を考えていて、自宅で娘と会話をする前の呼び方を少しだけ変えてみました。
「◯◯ちゃあん」とすぐに呼ぶのですが、語尾が下がるので、少しだけですが少し語尾が下がらないように呼んでみました。
すると、いつもは「なに~?」と嫌そうに返事をするのに、「はあい」と返事がありました。偶然かと思い、何度か両方を試してみましたが、結果は同じ。

語尾が少し変わるだけで、応答さえ変わる。
本当に「声をどうかけるのか」を意識するだけで、相手の反応は全く変わるんだなと思いました。

だれが言うか
何を言うか
も大切だけれど、プラス「どう声をかけるのか」も、これから更に意識していきたいと思いました。

あなたは、だれに、どう声をかけていますか。

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