かぶった猫に気付いていない私たち

「あの人は猫をかぶっている」と言ったりした時期もありましたし、私自身も言われてきました。でも、見える猫は可愛いもので、無意識にかぶってしまっている猫が居ることに気付く人はあまり多くないんですね。

「そんな事ないよ」と言いたい方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの人が猫をかぶっているのではないかと思います。誰でも人を意識するから服を着ます。これと同じことをしているのではないでしょうか。しかもその服が自分に合っているかどうかよりも、こんな服着たい!という思いだけで着ている服があるのかもしれません。小さく古くなったのに、新しい服に変える事なく着続けている場合だってあるんではないでしょうか。

例え話は分かったけれど、実際は違うだろって思う方もいらっしゃいますね。
例えば、私は小さい頃から体を動かすことが大好きでじっとしていられない子供でした。けれども、あまりにも「男の子みたい」「女の子なのに塗り絵もできないの?」などと言われてきたことで、どこかで「女らしい部分を象徴しなくては」という思いを持ったのです。だから、今誰にあっても「あなたはオレンジや黄色のイメージだね」と言われているのに、どこかにピンクを持っています。私の中で塗り絵やあやとりは得意じゃなくても、ピンクを身につけていれば女の子として扱われるかなという思い込みもあるのでしょう。そのおかげで、私は「女の子らしい猫」をかぶっていました。でも、何も私は変わってないんですよね。

小さい時からリーダー格をさせられてきた私。自分からというよりも周りの後押しを断れなくて、やってくるうちに磨かれていた能力。でも、高校で進学校に入った途端、周りは優秀ですごいと思う子ばかり。ああ、もう今までの私は捨てようと、急に「おとなしい猫」をかぶりました。でも、2年もしないうちに「おとなしい猫」はおとなしくないとばれているのに、私自身はまだその「おとなしい猫」をかぶろうとする時が無意識ですがあるようです。

周囲を見ていても、やたら自慢をする人が居ました。どんどん話しを聞いてみると、小さい頃から小心者で強くなりたいという思いを抱き、努力をして強くなるためにいろんな事を頑張ってきたんだそうです。そんな自分を認めて欲しくて、みんなの前で「どうだ、この強くなった俺様を見てくれ」と言わんがばかり、「強い猫」をかぶったその人が無意識に存在していたようです。「十分強いじゃないですか。弱いときもあるんですか」って話を伺ったら、本来の優しくて気遣いのあるその人が居ました。「私は強いあなたも素敵だと思いますが、今の優しいあなたの方が、もっと強くて頼りがいのある人にみえます」とお伝えしたら、猫をかぶるのをやめていらっしゃいました。

知らないうちにかぶっている猫は、小さい頃から自分にないものをかぶるために徐々に徐々に作り上げた猫なので、その人にとってはその人そのものに見えるんだけれど、本当は猫をかぶっているんですよね。

以前、私は「ちょっとちょっと。今日の里江ちゃんは猫を100匹も背負っている感じよ。もっと楽になったら?」と言われたことがありました。親からずっと言われていた「優秀でなくてはならない」「女の子らしくしなくてはならない」そんな思いを「ピンク猫」「つんつん猫」「着飾り猫」などなどに変身させてしらないうちに身にまとっていたんですね。その猫ちゃんの中で、服のようにサイズの違ったものは感謝しながらも捨てていいなって思えたのは、数年前です。そして、今またこういう事に気付けて更に無意識の猫を脱ぐことができました。

きっと自分では見つけにくいものでしょう。
でも周囲の人はもう気付いていることもあります。聞きたくない言葉だったりしても、しっかり自分の猫に気付いて、要らない猫を自分の背中や肩からおろすことができたら、その分軽くなりますよ。
私も今、今は要らなくなった猫の被り物に感謝しながら、脱いでみたら、本当の私がやっと見えてきました。ちょっと恥ずかしさもありましたが、自分本来の姿に自分自身が気づけてなかったことに驚いています。

きっとあなたにも、知らないうちに育てた猫が被り物としてあなたを支えていると思います。
けれども、本当のあなたはどんな人なんだろう。ちょっと被り物の猫に気付いてみませんか。そして、もしも可能であれば、その猫の被り物をおろしてみませんか。

一人で無理なら、私もお手伝いしますよ(^^)
一人でやってみたい人は、自分の思いと行動が違う時のことをちょっと振り返ってみてください。小さい時親や周囲の人に良く言われていたことを思い出してみてください。あなたが衝撃を受けた出来事とその時に誓ったことなどがあれば思い出してみてください。
ちょっとヒントが隠れているのではないでしょうか。

あなたが無意識にかぶってしまっている猫は何匹居ましたか。
それはどんな猫ですか。

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