マネジメントは片方だけじゃ上手くいかない

先日、定期的に関わらせて頂いている医療系の組織A社でお話を伺った時に、研修の成果について、こんな事をお話してくださいました。

「この件はどうしたらいいんですか」という内部の業務や意思決定に関する問い合わせが以前は多かったのに、最近は減りました。と。

現代の企業は、変化が著しく早いため、日々の中で決断していく事の量も増えていると思います。そんな中、「成果」を重視されていたA社では、決断は本部に委ねられる事が多く、しかも自分たちで何とかしていけるであろう事まで決断を委ねてくる場合が多かったそうです。

しかし、横の繋がりができるように会話量を増やし、会話の質を上げるためのきっかけを提供しながら、実践を次の研修の期間までに宿題という形でお願いしていたところ、成果重視だったからこそ、熱心に宿題(実践)に取り組み、次の研修の冒頭では成果発表を全員がしてくださいました。

すると、「やってみて、変化を感じた」「●●さんの様子が変わった」などの内部変化もありますが、他部門で集まった研修なので、部門間のやりとりも生まれ、忙しい部門を、何とか人数が減っても頑張れそうな部門から応援に行くなどの人材交流もされるようになり、職場全体が楽しそうになってきたそうです。

とは言え、成果も求められている事は変わりませんから、業務自体は厳しいはずなのですが、そこには「やりがい」や「楽しみ」が生まれてきている事を感じました。
その心理的変化を感じられるからこそ、自然にコミュニケーションの量が増えるようになり、本部を通さなくても、自分たちだけで相談しあい、決断する力も育ってきたとの事でした。

急激な変化があれば、その事についていけない方々もいらっしゃって、リーダーという職を降りたいという方もいらっしゃって、全てが全て上手くいったことばかりじゃないかもしれませんが、おおよそ一年関わらせていただいて、まず表情が違うこと。集まった時の会話が多いことなどからも、変化は感じられました。
が、それが業務内での変化を伺えたことで、お役に立てた喜びを感じることもできました。

業績も伸びているとの事でした。

そう考えてくると、「成果」というものは、数字だけではなく、どんな変化があったのか。何がその変化をもたらしたのか、などの「プロセス」、特に感情の変化なども大切なんだろうなと感じました。

ふと思い出したのは、中学の頃の部活動。私はバレーボール部でしたが、「声を出せ」「声を掛け合え」と良く言われました。
どれだけうまい人達が揃っていても、声を掛け合えないチームはバラバラでした。
私達のチームはお世辞にも強いチームではなく、監督が入院されたりで、とにかく声を出し合う団結力と、「先生が居なくても頑張る」という元に団結していただけです。
けれども、練習も声を出し、声を掛け合いやっているうちに、弱いなりに一体感はありました。
そんなチームが、市の中で一番下手っぴ(コモンの先生もバレーボールは体育でしかやった事のない先生)なのに、市で優勝できました。
「下手でも練習量だけは負けない(量としての「成果」)」「声だけは負けない」それしかないけれど、私達の出せるものは出しきりました。その結果が、強いチームに勝ってしまいました。奇跡としか言えない状態ではありましたが、その経験があるから、ビジネスでも、精一杯行動しながら、成果を感じ、気持ちを高め、周りと一体感を大切にしながら、やってこられたんだろうと、振り返る事ができました。

途中の言動が、既に成果となり、未来の自分や組織に自信や改善して良くするエネルギーをくれるんじゃないでしょうか。

「成果」だけでもなく、「プロセス」だけでもなく、両方が大切なのでしょうね。
あなたはどう思いますか。

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