課題を持つ事の意味

企業のリーダークラスにコーチングをしていて、本当に熱心に仕事や部下に関わっている女性リーダーがいらっしゃいます。そのリーダーと話していると、不思議な発見がありました。

ある企業で、子育てをしながら限られた時間の中で仕事をしなければならない女性が、職場全体を見るリーダーを任されています。
その方は、本当に真剣に部下を採用したり、育成したり、職場内が円滑に進むようにと必死になって仕事をしています。それが伝わるのか、部下は女性ばかりですが、彼女に反抗したりする人は一人も居らず、彼女の挑戦にも耳を傾けたりします。

その彼女がコーチングを受ける時には、情報も欲しかったり、私が同じような場面を経験しているならどうしてきたのかを聞きたがります。が、基本は自分で日々実践をし、課題を克服しているのです。

そんな彼女が言いました。
「私は、本屋で立ち読みしたり、色んな本をチラ見したりするんだけれど、夢とか希望とかって本だけは、近づくのも嫌。夢や希望が無いわけじゃないんだけれど、先を語る暇はない。日々、どうして生きていくかに必死なのに、夢とか希望とかって語ってる暇はないんです。毎日浮上する課題を向きあうだけで精一杯です。」

その彼女の言葉を聴いた時に、夢とか希望よりも、近い将来の「こうしたい」というために、彼女は課題を発見することが得意なんだな。と思いました。
つまり、「今、何か起こって死んでしまったとしても後悔しないようにする生き方をする」という彼女の信念が、遠い先はないかもしれないから、ないかもしれないことを想像するよりも近い事をと思わせているようです。

彼女の歩んできた人生にもその理由はあるのですが、そうは言っても、自分の大切にしたい信念があるから、夢や希望よりも、今ここにある事をより良くするための課題を見つけ、克服していく事で、「今をやりきった」と思えることが大切なのだそうです。

ビジョンや夢って大切だと思っているけれど、あり方が大切にできることで、彼女のように「今満足できているか」「今、より良く生きるためには次に何が必要か」と自分に問いながら、日々を積み重ねていくというリーダーシップの発揮の仕方もあるんだなと感じました。

だから、彼女には「課題を発見すること」は「今より、より良く生きていくため」の大切なステップなんですよね。それが、会社にとっては、業績を伸ばす事に繋がっていくのだけれど、リーダーにもその人が大切にする「生き方」があって、その生き方を大切にすることで、会社に影響を与えていくこともあるんだなと感じさせてもらいました。

彼女のセッションでは、彼女が解決に至らない課題についての事を扱ったりします。けれども、最後には課題を解決する糸口を見つけて、笑顔でこう言います。
「今からできることが今日も見つかりました。来月にはまた変わっているので楽しみにしていてください。」

今からをより良く生きるための「課題発見」と「課題解決の行動」。
「夢やビジョン」というよりも、「究極の今」を彼女は求め、これからも会社に影響を、そして変化を与え続けていくのでしょうね。これからも一緒に歩んでいけることが楽しみです。

課題を持つことって、すごく素敵な事なんだなと改めて感じました。

あなたは「究極の今」を生きていますか。

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