「いまどきの人」

コミュニケーションって日頃からあるものだろうに、今、コミュニケーションが大切だと言われ続け、コミュニケーション研修などが行われるようになったのは何故でしょうか。一概に「いまどきの人」と言ってしまう前に、一緒に考えてみませんか。

私も多くの企業様、PTA、教員の皆様、親の会、そして学生さん達からもご依頼を受けてコミュニケーション研修やコーチングの研修、マナーの研修などをやっておりますが、その中で回数を重ねれば重ねるほど分かってきたことがあります。それは・・・。

高度成長期に仕事を必死にしていた親に育てられた人達が親として子育てをしていること、企業で上司として関わり始めていることが時代背景としてあります。
これが、一体どういう意味を持つのでしょうか。

とある地域団体での研修の事でした。130名以上の方が集まったその会場には、20歳前後の方から70歳を超えた方までがいらっしゃっていました。
70歳を超えた方々は「親は戦争に行き、親とゆっくり話しをできる世の中ではなかった。子供との接し方は自分で考えるしかなかった」と。
50歳代の方々は、「高度成長期となる時代で親は仕事をしなければならず、怒られることはあっても、楽しく会話をしたという経験はない」と。
30歳代の方々は、50歳代の方と同じような事をおっしゃる方もいらっしゃいますが、「兄弟と比べられた」「兄弟とは話した」など、兄弟の人数は少数であっても、その関係の中でコミュニケーションを学んできた人がいることが見えてきました。
20歳代の方は、厳しくされることはそれほどなかった。おやは友達みたいだと放す人も中には居ました。明らかにゲーム世代に突入しており、家族との会話も少ない人も多かった。

世代によって、コミュニケーションの取り方が違うのは、そこに影響した時代背景や関わる家族の影響があることが分かってきました。

特に今、企業様で上司として活躍する世代の方々は、ご家庭でコミュニケーションをとることは少ない世代。ましてや親の接し方から学ぶのは叱る事。その世代に「いまどき」の情報社会の影響で、コミュニケーションは大切だと頭で理解できても、イメージができなかったり、言葉だけの理解で終わってしまうのは当然といえば当然だったのかもしれません。

けれども、おざなりにできないからこそ、研修で補っていくということをしているのだと、その研修でいろんな年代層の方と同時にお会いできることで痛感しました。
また、それぞれの時代から、コミュニケーションをとる機会すら意図的に持たない限りなくなっているんだという事を考えました。
これでは、感情を表現する力も、他人に対するストレスコントロール能力も衰えるはずだなと思いました。

「いまどきの人」と人くくりにしてしまいますが、私たちですら、いまどきの人なんだと思います。その人達に影響を与えてしまうコミュニケーションを取っているのですから。

ただ、この情報社会ですから、「いまどきの私達」は、研修などの疑似体験を通して、既にもっている情報からの知識を体験に変えることは得意だと思います。自分にあった方法を選択することもできます。選択肢が多いから、その方法を選ぶ意図が必要にもなってくるでしょう。

時代が私達を変化させているのだとしたら、今こうして「コミュニケーションが大切だ」と感じている私たちが、これからの時代を変えていけるのかもしれません。小さな一つのコミュニケーションが、世界に広げていけるのかもしれません。

「いまどきの私達」だからできることを、これからは行動として発信してみませんか。

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