思い通りにならないから面白い?

色々と思いはあっても、その通りにならないこともあるものですね。そこにはバランスというものがあるような気がしています。

以前、「ユダヤ人の教え」だったかを読んだ時に、「自分の仕事が急激によくなることがあると、家族や近くの人が病気になったりする」というような解釈ができることが書いてありました。それが、仕事が順調で楽しくなると、近くの人達に負荷がかかり、結局病気になってしまうという事のようです。私も実際に、仕事が軌道に乗り始めていた時に、自分自身の体調が悪くなったり、家族が病気になりました。これも私が導いてしまったものです。教えでは、急激ではなく、対応できる力を得ながら、徐々に変化をしていったり、準備をする期間が必要だったりするということだと私は感じました。

私は、現在創業者と同じ状態で、仕事が楽しくて仕方ありません。そのために、家族にも理解してもらいながら、外に出たり、お家で仕事をしています。けれども、子供が風邪を引いたり、社会の流れで家族の休日が変化したために娘を見てもらう人が居なくて、自分の予定をキャンセルせざるを得なくなったり。
正直、こうしたことが重なると、思い通りにならないことが苛立ちに変わったりもします。けれど、仮に断れない仕事だったらどうするの?と言うと、きっと仕事を優先して何とかしていることでしょう。
自分の中で、「今はこっちじゃなくて、あっちだ」とか「こちらはなんとか出来るなら、あちらを大切にしよう」と優先順位を入れ替えながら、バランスをとっているんですよね。結局自分で作り出していて、「思い通りにならない」と言いながら、「思い通りにしている」んですよね。

イライラしてしまうのは、納得ができてないからだけで、時間が経って、これでよかったんだと思えたら、それは「思い通り」なんですものね。そう考えると、思い通りにならないことなんて、本当はないのかもしれませんね。さっきの瞬間と、今の瞬間で、環境の変化によって「思い通り」の定義が変わっただけですもの。

そして、新たな思い通りの中で、新たなことが生まれてくるんですよね。

20歳になった頃から忘れられない言葉があります。
「今日は、今まで生きてきた中で一番年上だから、今日の判断は一番正しい。
 今日は、これからの人生の中で、一番年下だから、今からやることに失敗してもこれから直していけばいい。」
なるほどねって思った言葉でした。

父親がお寺が好きで、たまにおうちでお経の本を見ながらお経を読む時期があります(続かないんだけれど、続けるときは1ヶ月くらいずつ続く。本当は何か意味があったのかもしれないが、今の父には確認できません)が、その時に一緒に横に並んで読んで、意味を一緒に考えたりしていたことがありました。
でも、父も曖昧だと近くのお寺の和尚さんに聞きに行きました。その時に、お経の内容とは別に、私に話してくれた言葉が上記の言葉でした。でも、当時小学生だった私には理解できず、でも間違っていいんだ!やってみよう!だけが頭に残っていました。
そして、二十歳になってから、何となく違うお寺に入った時に同じことを聞かされたんです。きっと私には必要な言葉なんだろうと忘れられない言葉になりました。

父が言いました。「お前は学校では100点をとらんといかん。でも、人生はそんな100点がもらえることはそうそうない。自分で100点をやらんとな。でも、お前はみんなに100点をあげれるか?自分にも人にも100点あげれる人間になった時、大人って言うんだぞ!だから、俺はまだまだ子供やぞ。」と、真面目に語ってくれました。
学校での100点と、その人に出す100点が違うのは当時は全く分からなかったけれど、今なら父の伝えたかったことが分かる気がします。

きっと父も「俺のいう事が伝わらん」ってその当時は思い通りにならない苛立ちを感じたかもしれません。でも、ずっと気になって、今、父の伝えたかったことが、私には「思い通りに」伝わってきています。

時を経て思い通りになることもあるし、その時に別の思い通りを手に入れることもある。
いったい「思い通り」ってなんだろうね。そんなことを考えながら、思い通りにならなかったいくつもの事を、「思い通りにしたんだな」と消化している今です。

周囲の人とのバランス。身体と心のバランス。環境とのバランス。社会とのバランス。その中で、思い通りって一つじゃなくて、バランスをとる中で常に変化していくものかもしれませんね。
変わらないものがあるとしたら、思いや信念なんだろうな。だから、そこを大切にしている企業が結果的に強かったりするんだろうな。

そんな事をちょっと考えてみました。

あなたが、今思い通りにならないって思っていることって、本当に「思い通りになってない」のかなあ?
そのことで、得ているものって何があるんだろうね。

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