話をする時に重要なこと

先日知人に「人前でのスピーチ」について相談を受けました。私がプロというわけではないのですが、こんな話しをしようかなという相談を受けたのです。その時に重要な点を彼女が見落としていることに気付きました。

それは、相手が何を聞きたいかという点です。
彼女は小学生低学年に話をして欲しいと言うのに、なぜか親や先生に向けて自分の仕事について話そうとしているのです。「誰に話すのか」がまずずれているように感じました。
そこで、軌道修正をして「小学生向けに」という事で話しをしましたが、いきなり難しい言葉(大人にとっては普通だけれども低学年には難しい言葉)で伝えようとしているのです。

対象者が望む話は何か、低学年の子がどんな言葉を知っているのか、小学生低学年について知っていることを聞いてみました。お子様が2年生という事もあり、お子様を思い浮かべながら思い出してもらいました。
その上で、さっきの話がお子様に通じるかを聴くと通じないと分かったようです。

次にお子様に説明するとしたら?と一人に話すつもりで話を作り直しました。伝えたい事も興味を持つであろうことも話しの中に加えました。
すると、彼女の最初に準備していたものとは全く違うスピーチが出来上がりました。

私も最初はそうでしたが、人前で話すとなるといきなり「大勢にむけて」話そうをしますが、自分の中で「一人」に向かって話そうと思って話を作ってみると、一通りのストーリーはできます。その上で他の人にも伝わるのかどうか。言葉の言い回しはどうか。などの確認をしていけば、話のストーリーは出来あがります。

当日もみんなに話すのではなく、そこにいる一人一人との話を繰り返しすると思うと、私の場合は何人居ても同じ状態で話せるようになりました。
ラジオのパーソナリティのトレーニングのときにも、「ラジオの向こうで聞いている人は一人です。大勢が一緒に聞いているわけではないので、その人一人に話しかけるつもりで・・・」と学びました。
このトレーニングが私にとっては、非常に役立っているのだと思います。

彼女のスピーチも出来上がり、改めて私にだけ話してみてねと話してもらいました。するとすごく気持ちも一緒に伝わってきたのです。素敵だなと思いました。その感想と、話しの内容についての感想を伝えて、明日彼女は本番に臨みます。

リーダーやマネジャーの人も、先生も、私達講師も、人前で話す時というのは分かっているはずでも、ついつい「大勢」と話をしようとします。けれども、本当はそこにいる一人一人と話すことが大切なんですよね。
しかも、聴く人達に伝わらなかったら淋しいですよね。
相手に伝わるように、相手のことを少しでも知ろうとすること。その人達にあわせた話しがしてあげられること。その場にいる「人達」ではなく「人」に話すことを意識してみたいものです。

でも~
と言うあなた。大丈夫。
私は人前で脚が振るえ、何を言えばいいか分からなくなり、「え~っと」「あの~」を繰り返していた人です。それが、緊張はしますけれども、伝わる話ができるようになりました。今でも前の日はシミュレーションをしないと眠れません。それでも、話せるようになりました。
そんな人でも大丈夫になるし、そういう過程を経てきたのですから、自分が伝えたい事が伝わるように相手のこと、まず見てみませんか。

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