リーダーもファシリテーターも意識するもう一つの視点

ディベートのように戦うことで深めていくことも時にはあるでしょうが、リーダーがチームをまとめたり、ファシリテーターが会議を進行していく上で、持っている観点があるように痛感しています。それはすぐに解決に走らないことです。

具体的に言いますと、「●●という問題が起こった」から、どうしようか?という話の時に、「●●に対して解決する」ための話し合いは、その事例に対する対処です。
確かに緊急性があるときには大切なことかもしれませんが、根本の問題解決にはなってないのです。

「そもそも」どうしたいのか?何が原因なのか。何をするためのものなのか。問題を解決することで何を望めるのかなど、「そもそも論」に持っていくと、視野が自然に広がります。また、根本的な部分の話ができるために、対処から対策へと発展します。

仮に、問題解決じゃなく話しが二分した時の事例ですが、管理者は●●したいと思っているが、部下側は××したいと思っていました。この二つの方向性は対立しているように見えたのですが、ある上司が××したい事について詳しく話しを聴きました。「××するとどうなるんだ」「××したことで会社はどうなっていくと思う?」「お客様に与える影響はどんな事が考えられるか」などと質問をしていくうちに、求めているものが、管理者側の●●の求めているものと近いところにたどり着くことが分かりました。

そこで、上司はまず、求めている事が「類似」ではなく「一致」できないか双方で話をしようと、会議を持ちました。そして、管理者の意向を改めて伝えたうえで、「類似」ではなく「一致」させるために必要な観点や問題について話をしたのです。事例ではなく、求める先の話なので、部下も意見を出しやすいのです。
その状態の中で、「ほぼ一致」まで双方が納得できました。その上で改めて、どうしたらよいかを話し合うことにしました。すると●●と××も一つの意見として出されたものの、▲▲や◎◎や□□というアイデアも出てきたのです。●●と××の対立になっていたはずのものが、多くの選択肢の一つとなり、分担してやってみることになりました。当然部下は××から試し始め、管理者も●●を選択肢の一つとして担当の部下に実行を依頼しました。
結果として、共に成果をあげることもできましたし、次に取り掛かるものまで発見することができたのでした。

この事例は、リーダーとのコーチングセッションの中で課題として出された「部下との対立関係」に対し、出された行動計画を元にリーダー自身が行った対策です。
いつも対立していたリーダーと部下。発言の出ない会議が、それ以来全くべつの組織のように見えるようになったそうです。

どうしても、争点が見つかるとついついその点について解決しようと議論してしまうのですが、「そもそも論」のように、どこに向かって話が進むのかという大きなテーマに一度持っていくことで、あえて自由な発想ができる場所に対し意見を交わしてから、再度解決に持っていってもよいのではないでしょうか。

アクションラーニングもその一つでしょうし、上記の会議は普通のディスカッションを行う会議です。どんな会議にも使えるでしょうし、普段リーダーが意識していれば通常でも使っていける視点ではないでしょうか。

一つの視点としてもっていただけたらと思い、書かせていただきました。

あなたは問題解決の際、誰かと意見が対立したらどうしていますか。

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