信念が揺るがない

昨日、栃木県足利市のココワイナリーに行ってきました。そこで、飾ってある写真を拝見して、すごいなと思い、感動して本まで買ってしまい、やっと今、読み終わりました。


山の学園はワイナリー
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お店の入り口に貼られていた写真は、急斜面の山を自分達の手で、開墾していく様子。ワインを飲む表情。「こども達」が笑顔で仕事に取り組む様子が収められていました。

そして、入り口で差し出された葡萄ジュースの甘くておいしい味。

今まで知らなかったことを悔やみたくなりました。しかし、昨日、知れてよかったと思っています。どんな思いでこの園が作られたのかなど、ふと知人が20年前に聴いた園長先生の講演の話から、従業員の方に尋ねました。

すると、「私も園長のファンなんです。」と仰るレジの女性がすごく熱く語ってくださいました。50年前、当時の知的障害児を集めて、何をしようとしているのかという声を物ともせず、この子達が社会の中で自力で生活していけるように、働く喜びも教えてあげたい。そんな場を自分達が造ればいい。そんな思いから、同じ生活をし、同じ格好をし、同じように悩み、同じように作業する。そのことを信念に始めた山の開墾は、大変だったようです。

9名の仲間が無給で、しかも生活のためのお金を工面するためにもバイトまでして、支えて手作りで作った施設。周囲の人達からも「やっている人達もおかしいんじゃないか」と非難されることも多かったそうです。

しかし、そうした子供達に接してきた先生や生徒さんたちだったからこそ、誰一人あきらめず、信念も曲げずやってきたのだと語られました。「園長の素晴らしいのは、信念が揺るがなかったことだと思います」と涙目で仰いました。

現在89歳。声をはっきり話すこともできず、車椅子の生活だそうですが、それでも皆さんから尊敬される園長先生の存在感は変わらないそうです。そして、当時一度もスーツを着ず、みんなと同じ作業服で通していらっしゃった様子は今も変わらないそうです。

そうした話を聴いて、またその場で購入できた本を一冊、先ほど読み終えました。涙する事もありましたが、その本に書かれていることで私に感じ取れたのは、次のことでした。

1.曲がらない信念

2.仲間との熱い思い

3.子供達に対する敬意と、子供達から多くのことを学んだという前向きな思い

4.自分達が一つの個性と付き合っているという物事の見方

5.全てを楽しんでいる様子

本当は苦しい事も多かったでしょうに、そこには学び、楽しさ、子供達への尊敬など、「愛」がいっぱい溢れていて、思わず目頭が熱くなりました。そこには一切の同情もない。一人の個性と向き合う一人の「川田さん」という人が居るだけでした。その事がすごいなと思ってしまいました。

たまたま私は2週間前に、自閉症の子供達に接する機会をいただきました。そしてこの子達と向き合う先生の姿を見ました。私だったらどう接していくのだろうか。毎日、接しているってどういう事なのだろうか。この子の才能ってすごい才能だな。でもそれだけじゃない部分をちゃんと受け入れられる私なのだろうか。本当に一人の人間として向き合うことの大切さや、難しさを目の当たりにしたばかりだったので、一段とこの本に今、出合えたことの意味を感じました。

一人の人間として関わる!

それだけでも一つの揺るがない思いだとひしひしと感じました。今、本を読みおえたばかりで、今は感動した事しかかけません。これがもう少し、自分の体験へと変わったときにまたお話できればと思います。

が、是非親も、先生も、リーダーも、それぞれの信念というものがあるでしょうが、一つ共通する信念にこの言葉を加えませんか。

私もこれから更に意識していきます。

「一人の人間として関わる」

これは相手だけではなく、自分も一人の人間であることを忘れてはいけないという事も含めてです。お互いに尊重しあえる関係が世界を変えていくのではないでしょうか。

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