押すのか引くのか

育成と言うのもおこがましい気がしますので、開発支援とさせていただくと、人財の開発支援って毎回ながら悩みます。
一番悩むのは、押すのか、引くのか・・・。

特に、この時期に新人さんと出会う機会が多く、厳しい研修もあれば、温かく声をかける研修もあります。根本は何も変わらず、今ここにいらっしゃる方々の開発支援だと思っています。
とは言え、知らない事は「知る」事から始まります。その「知る」ことから、できるようになるまでの間にどう関わるのが良いのか、この目の前の人たちには何が一番必要なのか、外部だからこそできることは何なのか、など凄く考えさせられます。

特に考えるのは、「押す」厳しさと、「引く」自主性の引き出し方や体験を促す方法のバランスや、タイミングについてです。
最初にはっきりと伝えた方が良い部分もあれば、直感的に「あっ、最初に言ってしまうと、ずっと依存してしまいそうだな。」と思う時などあり、準備しているもの通りには進まない事もあります。

しかし、いずれにしても、体験を促さない限り、「開発」には程遠いので、いつかは「背中を押す」のか「気づくまで待つ」のかを選択することになります。
知らないのに、待っても気付けない事もあれば、気付けないからこそ後から伝えると効果的な事もあり、本当に、「今、どう関わるか」とその瞬間その瞬間で判断し、関わっています。

正直、その時のその選択は、これで良かったのだろうか、と振り返ると、「こうしていたらどうだっただろうか?」と違う選択肢が浮かぶこともあります。

けれど、最近思うのは、こうして「どう接したら良いのだろうか。」「どう開発したら良いのだろうか」と考え、接するということは、目の前の人たちを決めつけないで関わるには、凄く「今、この瞬間、この人達に・・」という好奇心と集中力がそこに集中できて、良いのかもしれないです。そのことによって、私自身も開発され続けていくのではないかと思います。

一つの事を、その一瞬一瞬で考えたり、観察したりしながら関わり続ける毎日ですが、最終的にどこがゴールで、何を目的に行われているものであるのか、さえブレなければ、考え続けながら関わる自分でもいいのかなと思うようになりました。

これはリーダーも同じなのではないでしょうか。
部下の育成で悩む時、こうしてみたら駄目だったけど、こうしたら良かった、という事が全員にマッチするわけではないです。そうなると一人ひとりと向き合い、模索されているのではないでしょうか。
きっと、リーダーが目の前の人たちの開発に真剣になればなるほど、リーダーは、「選択肢」の開発をしていけるのではないでしょうか。

「押す」か「引く」か。
単純にいったら二つの選択肢のように見えますが、この「押す」にも「引く」にもたくさんの方法があって、その選択肢が増えれば増えるほど、考える機会も増えると思います。けれども、選択肢がないよりは、ある方が、マッチするものを探すには良いのかもしれません。

まだまだ半人前、いつまで経っても半人前。そんな気持ちで、今日も「押す」か「引く」かをその都度考えながら、関わってきます。

あなたは、能力の開発をするとき、どのくらいの選択肢をお持ちでしょうか。

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